第63話 ケンカの仲裁をします!
しかし、クテイの門前で、大柄の冒険者が騎士団員の胸ぐらを掴んでいた。
「やってくれたな、騎士団長さんよぉ!」
「こちらは王の命令に従ったまでよ! いつまでもザコ相手に手間取ってるんじゃないわよ!」
魔術師のローブを羽織っている。さっき大魔法を放っていた女性だ。
「騎士団長殿は、任務を果たされたまで! これ以上の愚行は国家反逆になるぞ!」
剣で武装した騎士が、魔術師をかばう。
「はん! 手柄を横取りしやがったヤツらに従う義理はねえ! こっちは仕事を奪われたんだ! その責任を取れってんだよ!」
大柄の男性は冒険者ギルドのマスター、威嚇されている女性は、騎士団のリーダーらしい。
「あ、おかえりなさい」
ジョーイが説明してくれた。
冒険者ギルドが、マジックアイテムの取り引きが台無しになるじゃないか、と騎士団に因縁を付けてきたという。
「騎士団が特大魔法でモンスターを全滅させたとかで、ギルドがイチャモンを付けているんですよ」
「ああ、それは私のせいだな。リッコ、ちょっと事情を話してくる」
ソランジュが、リッコから離れた。
「お一人で大丈夫ですか?」
「あんなの相手にならん。おとなしくしていろ」
まだ傷が回復しきっていないのに。
「もし」と、ソランジュが冒険者グループと騎士団の間に割って入る。
「デーモンの巣を潰したことが原因で、ケンカになっているとか?」
「そうだよ! この騎士団共が狩り場を荒らしやがった!」
「それは私がやったんだ」
ソランジュが告げると、ギルマスの眉間に、青筋が立つ。
「マジで言ってんのか。だったら承知しねえぞ」
「ほう。私は、お前たちが何年かかっても狩りきれなかったデーモンを数秒で灰にした。そんな私に、お前ごときが敵うと?」
挑発的な発言に、ギルマスが激怒する。
「んだと!?」
ギルマスの拳が、ソランジュにヒットしかけた。
あと数ミリの所で、ソランジュは、あっさりとかわす。
「ふん。所詮、あの程度の魔族すら殲滅できない男だな。パンチが止まって見えるよ」
「このアマ、舐めやがって!」
とうとう、ギルマスが武器を手にした。ロングソードの二刀流である。
「オレ様を怒らせたこと、あの世で後悔させてやる」
これぞ悪役というセリフを、ギルマスは吐いた。
「やべえ! そいつに手を出すな!」
取り巻きの一人が、ギルマスを羽交い締めにする。
「んだぁ? 邪魔するならテメエからぶった斬るぜ」
「このアマ、アイリス・フォートの連れだ! ブチのめしたら、何をされるか……」




