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ぼっちパラディン、伝説の赤魔道士と友だちになる  作者: 椎名 富比路
第四章 本格的な宝探しです!

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第54話 チヨメさんは、寂しくないんですか?

「今思えば、あれも彼女なりの実験だったんだろうよ。そういう生体実験が大好きな奴だったと最初から知っていたら、従っていたかどうか」


「グシオン将軍も、秘宝を狙っているんでしょうね」


「さあな」

 ソランジュの返答は、素っ気ない。

「彼は、私との決着を付けたいだけのような気もするが」

「なぜ、そう思うんです?」


「この地に、ヤツの気配がしないからだ」


 もし、秘宝を探しているなら、この地に留まっているはず。だが、ここにいないとするなら、秘宝を手に入れてから攻めてくる可能性が高い。


「秘宝を求めているのは男爵夫人だ。我々に秘宝を手に入れさせてから、ゆっくりと頂戴しようという腹づもりなのだろう」

「そうはいきませんよ。絶対秘宝を手に入れて、奪われないようにしないと」

 リッコが鼻息を荒くする。


「キミの出番だ、リッコ」


「はい」と、リッコは口の中のモナカをお茶で流し込んだ。


「その意気ニャ、リッコ。領主マセッティ様も気前がいいから、報酬はソランジュたち二人の分もちゃんと用意してあるニャ」


「二人分だけって……チヨメさん、他のギルドメンバーはどこです? 現地に行っているとか」


 自分たちだけいい思いをして、悪い気がした。


「いいや、ひとりだニャ」


「お一人で、ギルドを管理なさっているので?」


 ニンジャは、もっと集団で活動しているモノと思っていたが。


「ギルド一本松は、基本的に単独行動ニャ」


 父サンダユーがいなくなったので、娘のチヨメが依頼を引き継いだという。


 ソランジュとチヨメがまともに組んだのも、今回が初らしい。


「寂しくないんですか?」



 心配しながら聞くと、チヨメは「全然ニャ」と返してきた。



「ハンターなんてそんなもんニャ。いつ死ぬか分からないニャ。常に覚悟を決めておけば、不測の事態に対処できるニャ」 




 仲間が死ぬ。


 その事態に遭ったことのないリッコは、冒険者としての自覚がないままこの地までで来てしまった。


「わたしが加わって、大丈夫なのでしょうか?」


 今頃になって、リッコは自分が果たして冒険者としてやっていけるか、不安になってきた。


「リッコは友だちで仲間ニャ。気遣ってくれる相手ができて、ワイはうれしいニャ」


 チヨメに続き、ソランジュも言葉を告げる。


「さっきも言った。キミの頑丈さは当てにしていると。自信を持っていけ。我々だって、そうそう死ぬわけにはいかん」

「ですよね。キエフにお嫁さんにいったお友達の説を証明しないと」

「私のことはいいさ。そんなに急いてないよ」



 休憩を終えて、さらに奥へと進む。

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