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ぼっちパラディン、伝説の赤魔道士と友だちになる  作者: 椎名 富比路
第四章 本格的な宝探しです!

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第52話 冒険者とはいったい……

 チヨメの転移魔法で、目的地近くまで飛ぶ。岩山ばかりのエリアに到着した。



「便利ですね、転移魔法って」

「あくまでも数キロまでだ。『地球の裏側まで飛べ』と言われても不可能だよ。まして人を連れていては」

 朱砂の魔女も、万能ではないらしい。それでも凄いのだが。


「こっちニャ」

 チヨメが先行し、谷を下る。


「道が狭いですね!」

 時に壁を這い、時に足場を飛びながら道なき道を行く。


「魔物たちが適当に掘り進んだ道を、下ってるニャ。だから足場は悪いニャよ」 


 置いていかれないように、リッコは道なき道を進む。


 突然、大地が揺れた。

「うわ!」

 噴火か? と思ったが違う。


 何者かが大魔法を展開し、地割れを起こしたのである。


 無数のモンスターが、谷底へと落ちていく。


 大魔法を放ったらしき女性が、書物を閉じた。


 同時に、地割れがゆっくりと元に戻る。

 

 残った怪物を、武装した一団が剣や槍によって蹴散す。


「はえー。すごいです!」

 リッコは、華麗な手際の良さに感心した。



 息もつかせぬ攻撃とは、このことか。

 

 これは、自分の出番はない。



 山の向こうでは、冒険者たちの中で、一際豪華な装備をしている男女数名が、魔族や配下のモンスターと戦っていた。


 彼らを相手する敵も、手強くなっている。


 また、彼らは並の冒険者と違い、報酬のために戦っている様子はない。


「あちらの方たちは?」


「王直属の兵隊だ。あまりに冒険者たちが不甲斐ないから、ああやって露払いしているのだよ」


 装備からして、一際手練れ揃いという風貌である。

 至る所で奥義が炸裂し、大魔法が飛び交う。


 それでも、魔族の数は減っていない。数が多すぎるのだ。


「彼らが出張らなければならないくらい、クテイも疲労の色が見えているということだ。はやく秘宝を探してやらねば」


「それに引き換え……」


 岩山の周辺では、マセッティが雇った冒険者たちがモンスターと戦っている。



「まだ、魔族と戦ってますね」


「欲に目がくらんだ連中だ。放っておけ」


 どうせ事情を説明したとしても、彼らはレアアイテムを求めて魔族を狩るだろう。本来の目的など忘れて。


「シングニアのワナだって、教えなくていいんでしょうか?」


「貴重な文献が目の前にあるというのに、目先の金を求める連中だ。関わったところでロクな目に遭わん」

 辛辣な態度で、ソランジュは返答する。


 それだけ、シングニアのワナが魅力的なのだ。

 騙されていると分かっていても、止められない。


 冒険者の習性を逆手に取った、見事な作戦である。

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