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ぼっちパラディン、伝説の赤魔道士と友だちになる  作者: 椎名 富比路
第三章 お友だちって、いいものですね!

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第37話 お店兼、アジト購入です!

 街を少し歩いてソランジュが向かったのは、一件の小さな空き家である。二階建てで、一階は店舗のようだ。

「ここは?」

「キミの店だ。ここで商売をするといい。ここを報酬代わりに差し出そう」


「えーっ!」

 ジョーイが、大きく仰け反る。


「お店とか早すぎます。商人はまずどこかで修行をしてですね」



 ソランジュはジョーイの言葉を聞かず、店にドカドカと入った。軽く風魔法を起こし、部屋中のホコリを外に出す。


「ソランジュさん、どうやって、こんな店を探してきたんです?」

「跡継ぎがいなくなってな。好きに使っていいそうだ」


 キッチンにある階段を上がって、二階へ。トイレの他に、合計三部屋ある。また一階に戻って、今度は地下へ行く。ここが、ジョーイの作業場だ。


「そこまでしていただかなくても、ソランジュ様! あたしの部屋ですから、あたしが全部やりますって!」


 遠慮するジョーイに、ソランジュは言い放つ。


「誤解なきよう。何も、キミのためだけに買った家ではない。我々も使うのだ」

「皆さんも同居なさるので?」

「うむ。ここを我々のセーフハウスとする。いわゆるアジトだな」


 なにも、ジョーイのためだけに買い与えたわけではないらしい。


「もう、宿を探す必要はないんですねっ、ソランジュさん?」

 リッコが尋ねると、ソランジュはうなずく。


「オネスではな。好きに使ってくれ。プライベートも必要だろう。手狭になったら、また引っ越す」 


 指をソランジュが軽く回しただけで、部屋にあった雑巾が勝手に内装の汚れを拭き取る。


 古びた店舗が、新築同然の輝きを取り戻した。


「よろしいので?」

「ああ。『バカな錬金術師』による謀りを暴いてくれたお礼さ。受け取ってくれ」


 皮肉にも程がある。

 やはり怒っているのでは?

 わざと借金をこさえさせ、今度こそ遊郭へ売るとか考えていそうだ。


「キミのようなレベルの鑑定、アイテム精製職人は、下手に修行すれば師匠に便利屋扱いされてしまう。どうせ働くなら、店をドンと構えて堂々としてくれたまえ」


 ジョーイが、ソランジュの前にひざまずいた。


「あなたは神ですか? それとも、願いを叶える悪魔か魔神の類いなのでは?」


「私はただの魔女だよ」


「ありがたやー」

 両手を胸の前に重ね、ジョーイは感謝をする。


「いやぁ、転職して早々に店を持てるなんて! ありがとうございます」


「維持費とかは、考えなくていいから。半年は赤字になると見越している。キミの腕なら、半年の間に利益を出すだろう」


「そこまで認めて下さるなんて。何から何までありがたき幸せ」

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