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ぼっちパラディン、伝説の赤魔道士と友だちになる  作者: 椎名 富比路
第三章 お友だちって、いいものですね!

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第34話 僧侶さんは、商人さんでした。

 出会ったときのことを、リッコは思い出す。


 ジョーイは僧侶なのに、負傷者そっちのけで魔獣の素材を漁っていたのである。


 あのときは、二度と復活しないように浄化しているのかと思っていた。


 おかしいと思っていたが、出自を聞いてリッコは納得する。


「あれは、素材の吟味をしていたんですね?」

「はい、もはや職業病でして」

「冒険者になりたかったと。鍛えていたんですねぇ」

「ええ、護身術程度なら多少は。治癒魔法も、『自活するなら必要かなー』と思って習得した程度でして」


 シュッシュ、と、ジョーイは正拳突きを繰り出す。けれど、腰が入っていない。


「ジョーイさん、後衛で魔法使い職という手も」

「それだと、自分でマジックアイテムを使う機会がありませんのです」


 ジョーイは魔法使いになりたいわけではなく、マジックアイテムを使いたいようだ。


 ちゃんと自身の役割を考えているらしい。


「クテイには、どういった経緯で?」


 てっきり、ワーンスを拠点にするのかと思ったが。


「故郷に居づらいという意見もあります。ですが、本命は、パーティがあたしの鑑定士としての能力を当てにしたようでして」


 ジョーイのサブジョブは『商人』で、「アイテムの鑑定」スキルを持つ。



 しかし、「あまりにも戦闘要員として使えない」と、退職させられたとか。


「役に立たない」というより、「ここからは危険だから、命を大事にしろ」という温情からの解雇だという。リーダーには何の非もないそうで。



「無駄に命を捨てさせない、いい上司じゃないか」

 ソランジュは、リーダーのあり方を感心した。


「はい。もっとも、リーダーは『自分の判断ミスが招いた事態』だから、と自身を責めておりまして、パーティも解散しました」


 人格者な彼なら、どこでもやっていけるだろう。早死にするかも知れないが。


「申し訳ありません。せっかくパーティ加入の手助けまでしてくださったのに」

「いえいえ、こういうのは巡り合わせですから。これから、どうなさるおつもりで?」

「僧侶としてより、鑑定やアイテム精製に力を注ごうかと」


 懸命な判断だ。

 慣れない戦闘を続けるより、商売に精を出す方がいい。


「今後は、この地でイチからやりなおす所存で……おお!」


 ジョーイは、ソランジュの装備に目を向けた。


「どなたかは存じませんが、リッコさんのお友達様、失礼ですが、ステッキを拝見しても」

「私はソランジュ・オルセンだ。一向に構わんよ」

「ソランジュさまですね。承知致しました」


 では、とジョーイはステッキを吟味する。

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