第24話 秘宝と、お友達の歴史です。
「今から一五〇〇年前、クテイで戦争がありました。初代クテイ王の弟・シングニアが反乱を起こし、強引にクテイの王位を奪ったのです」
シングニアの反乱を共同で阻止したのが、キエフ国の使者である初代キエフ王子だった。
キエフ王子は、ホワイト・ドラゴンに乗るコスタ将軍という友である。
二人は協力し合い、シングニアと戦う。
「だが、首都は陥落。そこでクテイ国は、隣国キエフに援軍を頼みました」
援軍を頼む際の献上品として、王子はクテイのよこしたコスタ将軍と友に、献上品たる秘宝を持ち帰る。
「ですが、軍は地震に遭いました。シングニアが最後の手段として、古の魔王を蘇らせたのです。魔王を打倒するため、コスタ軍は行方不明に。帰ってきたのは、キエフの王子が一人だけでした」
それでもキエフ王子は、クテイ国と結託して軍を率いた。シングニアを撃退し、シングニアは小国として独立したとのこと。
「おかげさまで、キエフとの国交は今なお続いています。数十年前にも、再び反乱を起こしたシングニアを、クテイと共同して撃退したばかり。その立役者が、彼女でございます」
マセッティが、動く肖像画の女性に身体を向ける。
「このお方こそ、クテイ第五七代王女、コジモ王女です」
肖像画を、ソランジュがジッと見つめた。
「ソランジュさん、ひょっとして?」
「ああ。私と親しかったのは、彼女だ」
コジモ王女は、キエフと共同して、財宝発掘に専念したという。
「私のことは、コジモから聞いたのだな?」
「はい。先代キエフ国が」
「だが、シングニアが力を取り戻したと?」
「はい。タンドック男爵夫人なる人物が魔族と手を組んだとかで、油断ならず。いつまたクテイが戦火に見舞われるか」
「で、魔族たちより早く、秘宝を手に入れて保護したいと」
ソランジュが先に言葉を引き受けた。
「そうなのです。あれは国の宝、キエフとの国交の証です。どこにも渡すわけにはいきません。ぜひとも探し出し、キエフに献上したく。それが、王女の望みでした」
「分かった。引き受けよう」
「ありがとうございます」
ソランジュが依頼を受諾し、本格的に契約をする。
が、その途中で、執事風の男性が大慌てでマセッティの元へ。
「マセッティ様」
執事風の男性が、マセッティに耳打ちする。
マセッティは顔をしかめた。
「どうしたんです?」
「せっかくおいでくださったのに、水を差すようなことが発生しました」
奥歯に物が挟まったような口調で、マセッティは言葉を濁す。
「いいから話せ。こうなったら最後まで面倒を見ようではないか」
わずかに黙り込んだマセッティは、「では」と口を開く。
「野党どもの動きが、また活発になりまして。村の若い衆を連れ去ったとか」




