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勇者になるはずだった僕は、  作者: ユウキ
騎士達が攻めてきた!
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この街の秘密。

またまたフォル視点。


大人の幽霊は漢字使います。

あと人によっては普通にひらがな使いますが、間違ってないです。

勇者が目覚める少し前。夜が降りてきた後の話。



勇者君はなかなか目を覚まさない。

当然だ。私にヘッドショットかまされたんだから。むしろ生き返った方が奇跡に近い。



『モウスッカリクラクナッチャッタネー』


「あぁ・・・、そうだね・・・。」



窓の外を見るともうすっかり真っ暗になっていた。

かつては光が灯っていた街も、今はそんなこともなくただただ暗いだけだ。


今日も街に白い影が揺れ歩く。

それを見て・・・もう少し気づくのが早かったなら、助けてあげられたかもしれなかったのにな、と思ってしまう。



あのときも私はここにいた。

王族が逃げられたくらい、この図書館も彼から離れていた。

私が異常に気づいたときには、もう手遅れだったんだ。



「・・・そういえば、シオン。お母さんのところに帰らなくてもいいのか?」



街の住人が一度に全員死んだせいで、ここの幽霊にはほとんど家族がいる。

シオンたちは享年7歳だったらしい。その年で暗くなるまでいないなんて、親は心配するだろう。



『ウン、モウダイジョウブナンダヨー!』


『ボクラモウシンジャッタカラネ!』


「・・・そっか。」




私に限らず、この街の人たちは死んでからみんないろいろ吹っ切れた気がする。



「まぁ勇者君が起きるまでは・・・」



ここにいよう。そう思って壁に寄りかかったとき、



『フォル! 大変だ!』


「うおっ」



白い影が慌てたように壁をすり抜け飛び込んできた。

もう慣れたと思っても、やっぱりまだ少し驚いてしまう。

飛び込んできたのは体格の良い大きな大人の男性で、元鍛冶屋のおやっさんだ。



「どうしたの? そんなに慌てて・・・」




おやっさんは必死そうな顔をしていた。




『ヴァルムヘイムの正規軍だ! やつらまた攻めてきやがった!』


「なんだと!?」



それを聞いて、私も顔が怖くなるのを感じた。


ヴァルムヘイム正規軍、何故か最近は女の人しかいなくなった騎士団。

最近気づいたことだけど、旧王都であるこの街には・・・いや、この図書館の地下には禁忌とされる魔道書が数多く残されていた。

騎士団はそれを回収しようとこの街にくるのだが・・・。



『やつらは毎回毎回山賊みたいな方法で街を荒らしてきやがる。本がある場所を知らねぇんだろうな。』


「いつも王城に向かってるもんね。」



街の幽霊達の話だと、王城とこの図書館は地下で繋がっていたらしい。

繋がっているこの図書館にある隠し階段はとても分かりづらく、幽霊になった街の住人の力がないと絶対にわからなかっただろう。

王族達が城から脱出するときも使っていたのかもしれない、とのこと。



地下はとても、とても広かった。

おそらくはこの街と同じくらいの広さだろうとの話だ。

その中からものすごい歴史的価値がありそうな古ぼけた魔法兵器及びそれに準する道具、かつて使っていたでのあろう剣や矢、その他多数の武器などがたくさんたっくさん見つかった。



そうしていろいろ調べた結果この街の人たちが出した答えは、



『もしかして、かつてこの街は戦場だったのではないか?

王城はおそらく、この街の地下を隠すための蓋だったんだ。』




というものになった。



なんで国がこんなことを隠していたのかというと、やはりいつか兵器を使うつもりだったのだろうという結論に至った。


そして今は戦争中だ。国は今こそこの兵器を使うつもりなのだろう。

だから兵を送り、街を襲わせている。

この街を・・・魔法兵器を取り戻すために!

禁忌とされていたらしい魔道書だと分かったのは、みんなで王城と図書館を漁り、魔道書について知識がある人がそう言ったから。


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