16.レウリアーダ散策記(下)
ライノと別れたリーウィアは、周囲の過剰な好意に困惑を深めていた。
(困ったものね……)
そう溜息混じりに内心で独りごちていると、車椅子を押すマヤが楽しげに喉を鳴らせた。
「お嬢様は大人気ですね」
「慕ってくれるのは嬉しいけど、それにしたって程度というものがあるでしょう?」
「良いではないですか。色眼鏡で見られたり、距離を取られるよりもずっと」
「たしかに?」
「こうして真っ直ぐ慕われるほうが、私は嬉しく思います」
マヤは何故これほどリーウィアが慕われているのか、その理由を承知したうえで言っている。
そして承知しているのは彼女だけではない。
「そうね、マヤの言うとおりだわ」
リーウィアもまた理屈としては理解していた。
何故なら昨晩、マヤがオーサと話した内容を包み隠さず報告してきたからだ。
――私はお嬢様の命に背きました。いかようにもご処分を。
マヤはリーウィアを守りたくて口止めしたことをオーサに漏らした。
だが一方で、マヤは自身の背信行為を隠すことをしなかった。
それを隠せば本当にリーウィアを裏切ることになる――と、マヤは考えたようだ。
もちろんリーウィアはマヤを咎めることなく笑って許したが、それはそれとして。
(当たり前のことだけど、色々と誤解されちゃってるのよね)
レウリアーダ側だけでなく、マヤですらリーウィアを誤解している。
特にレウリアーダの人たちとはまだ出会ったばかりで、本格的な交流はこれからといった段階だからだ。
だからこのリーウィアに対する誤解は、求婚の日にイェルドに指摘されたような、いわゆる「すれ違い」だと言える。
オーサの話からレウリアーダの人々は、イェルドが婚約期間中にリーウィアに手を出すことを非常に恐れているようだ。
それが回り回ってリーウィアの醜聞に繋がりかねないと考えている。
(それは私も考えた。考えたうえで同居を決めたんだけどな……)
たとえばオーサが言うように「リーウィアという娼婦を手に入れた」ないし「リーウィアが情婦にされている」と噂されたとしよう。
(私はまったく気にしない。マヤもその点だけ読み違えているのよね)
これは仕方ない。
長い年月をともに過ごしてきたマヤでさえ、リーウィアが謂れのない中傷にさらされる局面に立ち会ったことがないからだ。
(守る必要なんてないのに。私は侮辱には――『徹底的に報復する』のだから)
リーウィアは貴族的価値観が強い。
つまりそれは家門の体面を極めて重視する気質を持つということだ。
イェルドの「娼館漬け」という質の醜聞なら受け容れる。これは単なる事実に過ぎないから。
(だけど私が情婦扱いされているなんて……私とマイエル家、レウリアーダ家に対する侮辱でしかない)
引いては縁談を取り持ってくれた王太子妃アンネリーエ、魔導卿ルインヴェルクまでも侮辱する行為だ。
二人の名誉を守るためにもリーウィアは断じて容認しない。噂する者どもを草の根を分けてでも見つけ出し、相応の報いを受けさせるだろう。
イェルドもきっとそうするに違いない。
(娼館の件とはまったく別物だもの。謂れのない中傷を看過すれば舐められる。貴族として終わりかねない)
自身の名誉、伴侶の名誉、属する家門の名誉、仕えてくれている臣下たちの名誉、力を貸してくれる友邦の名誉。
これらはたとえ命を懸けても死守せねばならない。
正否善悪など関係ない。やられたなら、やられた以上にやり返す――それが貴族という生き物だ。
だからイェルドが婚約中にリーウィアに手を出そうが出すまいが、謂れのない噂を立てられた時点でリーウィアは報復行動に出る。元よりそういう人間なのだ。
(もちろん私は結婚するまで体を許すつもりはないけど……。皆様も、もう少しイェルド様を信じてくださってもいいのに)
どうも他の人たちと評価が違っているようだが、リーウィアはイェルドを誠実な人だと思っている。
事実、王都までの三日のあいだで彼は幾度となく距離を詰めてきたけれど、性的な匂いのする接触は一度たりとも取ってこなかった。
もっと言うなら、リーウィアは別の確かな根拠も持っている。
(お見合いの日から毎日確かめているけど、イェルド様の魔力は安定している。我を忘れて私を襲うなんてあり得ないわ)
もちろんこれからも日々イェルドの状態を確かめていくつもりだ。
仮にまた乱れたならリーウィアはまた、お見合いのときのように〝処理〟するつもりでいるし、それを外の者にとやかく言われたくない。
もし言われようものなら「それがあなたになんの関係があるの?」と冷笑を添えて返すだろう。
(……言えるものなら言ってみるがいいわ。二度とその口でさえずれぬよう、家門ごと叩き潰してあげるから)
そんなことを考えていると、サシャがこちらの横顔をじーっと見つめていた。
「奥様から覇気が……」
「覇気って。なんです、それ?」
「ゾクゾクします」
「私はサシャの個性が強すぎてそわそわしているわ」
それからほどなくして、リーウィアたちは目的地の庭に到着。
予定どおり歩く練習を始めてみたものの、これは早々に中止することになってしまった。
というのも、どこからともなく奉公人たちがワラワラと集まってきたのだ。
『奥様がんばって!』
『ああ、危ない!』
『我らの奥様は頑張り屋さんだ!』
リーウィアのつたない歩みに一喜一憂し、ドキドキハラハラと見守る奉公人たち。
この家の人たちに対し、軽く諦めの境地に入っているリーウィアでも、こうも注目を浴びては耐えられるものではなかった。
恥ずかしくて顔を赤くしたら、それはそれで『可愛らしい』とか『あらあら』とか言われ、ほっこりした目で見られてしまう。
こんなの無理だ。耐えられるわけがない。
そもそもサシャが原因なのだ。
最初の頃、リーウィアを見守っていたのはたまたま近くを通りかかった二人だけだった。
それをサシャが過剰に反応し、あのおっきな声で――、
『それ以上近づくな! 奥様の努力を邪魔立てする者は私が斬る!』と。
きっと本人は護衛騎士の務めとして牽制したつもりなのだろう。
だがじっさいのところ、これは宣伝にしかなっておらず、あっという間に人づてに話が広がって観覧者は増すばかり。
結果、個人的なリハビリのはずが『奥様を応援する会』みたいな見世物に変わってしまった。
いっそリーウィアがサシャを斬ってやりたかったくらいだ。
「サシャ」
「はい、奥様」
リーウィアは逃げるように庭を後にした直後、虹彩の消えた瞳で護衛騎士を見つめた。
「あなたを解任します」
「そんな!?」
護衛騎士サシャは就任二日目にして役目を解かれてしまった。
絶望する女騎士の一方で、マヤは腹を押さえながら「お、おなか……ひふっ、いたいっ」と必死に笑いを堪えていた。
「マヤ」
「ふぅ、ふぅ、無茶を言わないでください。こんなの誰でもっ……ぶふっ、笑います」
「お、お待ちください奥様! どうか挽回する機会を与えていただきたく!」
「……今のは冗談です。やる気があるのは結構なことですし、サシャを護衛から外したりしません」
「も、もう、奥様は御冗談が過ぎ――」
「でも、次また私をさらし者にしたら……今度は本当に任を解きますからね?」
「はっ」
ピシッと礼を取るサシャに、リーウィアは抜けるような息を漏らした。
今から確信に近い予感がしている。この女騎士はきっとまた、そのみなぎる忠義を暴走させてやらかすに違いない。
もしこの話を王太子妃アンネリーエが聞いたなら「国家規模でやらかすあなたがそれを言うの?」と驚愕するかもしれない。
現実にそうなるか否かは――もう少し未来の話だ。
「ふと思ったんだけど、私は探検しに出てきたんじゃなかったかしら?」
「冒険としては、それなりに内容が濃かった気がしますけど」
「冒険……?」
マヤも上手いことを言う。
濃すぎる住人たち(ライノ、奉公人たち、サシャ)と遭遇戦を繰り返したせいで趣旨をすり替えられてしまっていた。
「探検をしましょう」
今からでも初心に帰って探検をする。これ以上の冒険は御免だ。
「サシャ、面白味なんてなくていいから、手近なところから施設を案内してくれないかしら」
「お任せを」
それからリーウィアは正しく探検することができた。
大きな厩舎、巨大な倉庫、来客が逗留する別棟、私兵の調練施設などにも足を運んだ。
案の定というべきか、それぞれの場所で「奥様、奥様」と多くの人に声を掛けられ、少ない時間ではあるがレウリアーダで働く人たちと交流を持つこともできた。
「暇つぶしから始めた探検だったけど、自分の目で見れて良かったわ」
「私も改めて驚きました。マイエルとは比較にならない規模感ですね」
「本当にね。もう探検というより視察になってしまったけど、得るものが多かったわ」
リーウィアとマヤは呆れ混じりに微笑み合う。
人や馬の数、敷地の広さ、建物の数と規模――投じているであろう資金にしても、なにもかもがマイエルと比較して歴然とした差があった。
「サシャもご苦労でした。あなたの案内で充実した時間を過ごせました」
「恐れ入ります」
「でも――」
「な、なんですか……?」
「他の騎士の皆さんに『ふふん、私は奥様専任の護衛騎士なのだぞ、羨ましかろう』と意味のわからない自慢をするのはやめてちょうだい」
とはいえ自慢された騎士たちは、じつに表情豊かに「ぐぬぬ」していたので意味はあるのだと思う。
だがそういう問題ではない。
「お言葉ですが、名誉を誇ってなにが悪いのです」
「私が恥ずかしい思いをするからです」
「む……」
「騎士が守るべきは主人の身の安全だけではなく、その平穏な心も含まれるはずです。違いますか?」
「違いません……」
「結構」
しょげた様子のサシャのご機嫌取りではないけれど、リーウィアは別の話題を振ることにした。
「そうそう、サシャに訊こうと思っていたのだけど、これ」
リーウィアが胸元から取り出したのは、昨日フレンダたちから贈られたネックレス型の魔道具だ。
「警報の魔道具がなにか?」
「あ、やっぱり知っていたのね」
「それはもちろん、私は奥様の護衛騎士ですから」
フレンダたちが言うには、このネックレストップに魔力を流すと敷地全域に警鐘が鳴るという一品だ。
「せっかくお義母様たちが贈ってくださったのだから試しに使ってみたいのだけど。ほら、こういうのっていざという時に動きません、動かせませんでしたでは困るでしょう?」
「ごもっともです」
サシャは神妙な顔をして数秒黙考したのち、
「動作確認がてら起動されても問題ないかと。私たちとしても抜き打ち訓練の良い機会になるでしょうし」
「大丈夫? 大事になって怒られたりしない?」
「奥様に難癖をつける輩は私が斬ります」
「そんな答えは求めていません」
そこで静観していたマヤが話に混ざってきた。
「お嬢様、ここは慎重に」
「わかっているわ、マヤ」
主従は今日の体験を通じてレウリアーダの非常識さを嫌というほど思い知っていた。
安易に事を運んではならない。だいたいが罠だ。決まっている。
「サシャ、仮に、仮によ? この魔道具を起動したとき、どういうことが起こるのか具体的に説明してもらえないかしら」
「それはですね――」
サシャの説明によると次のようなことが起こるらしい。
・敷地全域に警鐘が鳴る。
・魔道具から位置を知らせる光弾が、上空に向けて自動的に射出される。なお光弾は無害とのこと。
・兵の詰め所から拡声の魔道具を通じて警告とリーウィアの位置情報が周知される。
・敷地内にいる全員が全力を以ってリーウィアの救助に動き出す。
「という感じです」
「罠の気配がぷんぷんしますよ、お嬢様」
「……ええ」
歯切れの悪い主人を見て、できる侍女さんはピンときた。
「さては『面白そう』とか思っちゃってますね?」
「…………」
リーウィアはスッと目を逸らし、今度は「ええ」と言わなかった。
マヤは主人の好奇心を寸分たがわず看破していた。
「……ちょっとだけ、ちょっとだけ魔力を流してみようかしら」
「サシャ様、ちょっとだけってできるのですか?」
「ゼロか百です」
「駄目じゃないですか」
それでもリーウィアはねばった。
「じゃあ一瞬だけ流すなら……?」
「一瞬でゼロが百になるだけです」
「もう罠でしかない」
サシャ曰く、弓を引き絞っている状態だと思ってもらいたいとのこと。
一瞬だけ指を放そうが、矢は射出される。「今のなし」は通用しない。
まさにゼロ百仕様。征くなら退路は無い。
「征かれますか、奥様」
「征くわ」
なんだか壮大な空気を醸し出している二人を、マヤだけが諦め顔で見つめていた。
「まあ、こうなると思っていましたけど……。楽しくなっちゃうと止められないところが、お嬢様の唯一の欠点ですよね」
リーウィアはわくわく感を隠そうともせずネックレストップに指の腹を押し当てる。
それから侍女と騎士を交互に見て「いい? いくよ?」と目で尋ねた。
マヤは苦笑を深めながら頷き、サシャもまた愛でるような眼差しを向けて後押しするように力強く首肯した。
「――いけ」
マヤが「いけって」と口にするよりも先に、リーウィアの首元から目を開けていられないほどの赤い光が溢れ出した。
「わっ」
眩い光は即座にリーウィアの前で収束し、赤き光球へと形を変えた。
人の腕の長さほどの直径を持つ紅玉は、消えたかと思うほどの速度で上空へ打ち上がった。
紅玉は目算で四〇メトルほど上昇して滞空し、その光量を一気に上げた。
リーウィアとマヤがぽかんと空を見上げたそのとき――、
「っ……!」
「きゃっ!」
たたましい鐘の音が降ってきた。
その大音量はもはやどこが音源なのかすらわからない。
右も左も前も後ろも、全周から絶大な音の暴力としてリーウィアたちに襲いかかってきた。
「これ! まずくないっ!?」
「わかりきってたことじゃないですかっ!」
主従は耳を手で塞いで大声で話し合う。
「…………」
かたやサシャだけは腕を組み、まるで次なる敵を待ち構えるようにリーウィアの傍らで泰然と立っていた。
「……止まった?」
「鼓膜が破れるかと思いました……」
警鐘が止まったことで状況は次なる段階に進む。
『緋色信号発令! 緋色信号発令! 奥様より救難信号を受信! 場所は本邸九時方向、距離おおよそ三〇〇! 近隣に居る者は直ちに急行し奥様の安全を確保せよ! これは訓練ではない! 繰り返す! これは訓練ではない――』
その警報の声があまりに危機感に満ちていたため、リーウィアはとてつもない罪悪感を覚え始めた。
「マヤぁぁ……」
「だから慎重にって言ったのに。ぜったい怒られるやつですよ、これ……」
と、泰然自若としていたサシャがカッと目を見開いた。
「……来る」
『リーウィアァァァッ――――!』
警報の残響さえ消えぬ間に、空気を切り裂く咆哮が届いた。
直後、庭園の植え込みが爆発したかのように弾け飛び、土煙を巻き上げながら一人の男が〝空から着弾〟した。
「リーウィア! 大丈夫かっ!」
降ってきた男――イェルドがその絶大な魔力で風魔法を起こし、巻き上がる土煙を消し飛ばした。
リーウィアが状況についていけず口をぱくぱくさせていると、サシャがニヤリと笑い、腰に帯びる長剣をスルリと抜き放った。
「ふ……まさか想定敵を呼び寄せる結果になろうとは……」
「……ハっ!」
そのセリフを聞いてリーウィアは我に返った。
だが我に返って最初に出てきたのは、状況に酔っているようにしか見えない護衛騎士へのツッコミだった。
「いえ、あなた全力で待ち構えていたわよね?」
策士が策に溺れた風に言うのはやめてもらいたい。
敢えて言うならこれは自作自演の自業自得である。
「……サシャではないか。これはどういう状況だ、説明せよ」
「私は奥様の護衛騎士。いかに旦那様が相手といえど退けませぬ」
「貴様はなにを言っている……?」
声の抑揚は落ち着いている。表情も平坦だ。
だが体から陽炎のように立ち上る魔力がバチリと大気を弾き、イェルドの苛立ちを雄弁に告げていた。
一触即発の緊張が走るなか、サシャはそれでも臆することなく重心を低く沈めて剣を構えた。
その瞳に宿る無機質な光は、イェルドのことを主人の身を害する「敵」と見做したものだった。
「三〇秒も時間を稼げば応援が押し寄せましょう。いざ……」
「いざじゃない。戦おうとしないで。――マヤ」
呼ばれた侍女が「なっ!?」とでも言わんばかりに弾かれたような勢いで主人を見た。
「イェルド様に状況の説明を」
「っ……」
マヤの顔には「こんな臨界状態の旦那様を私にけしかけるなんて、お嬢様は悪魔ですか!?」という感情がありありと浮いていたが、彼女はできる侍女なので目で訴えるだけに留めた。
「あなたは私の良心です。マヤにしかお願いできないわ」
「……かしこまりました」
マヤの想いはリーウィアに届かなかった。いいや、届いていたが叶えられなかった。
マヤはビビり散らかしつつも、イェルドに近づいていく。
「旦那様、私から状況の説明を。お嬢様に危害が加えられる可能性は皆無ですので、どうか御心を静めてお聞きいただきたく存じます」
「だがサシャが……」
「あの人は自分の世界に酔っているだけの夢想家です。無害ですから捨て置いて構いません」
表は冷静に、しかしその実、心臓が破裂しそうなほどバクバクさせながら、マヤは果敢にイェルドを「どうどう」していく。
だがリーウィアを取り巻く状況は依然として予断を許さない。
遠くから『奥様ァァァ!』という怒号が聞こえ始めていた。
全方向からレウリアーダの人々が迫ってくる。そのなかにはピッチフォークを掲げるライノの姿もあった。
「ねえ、サシャ」
「はい、奥様」
「……結局あなたはなにがしたかったの?」
「まず、奥様のそれは対旦那様を想定した魔道具ですが、旦那様が不在の状況で起動したとき、即応されるのは他でもない旦那様であろうことは予想できていました」
「それで?」
「せっかくの機会です。旦那様のような人外が相手であっても臆さず立ち向かい、さらには三〇秒を稼げる実力があるのだと、奥様に知っていただこうと考えました」
「なるほど。サシャは実直なのね」
「恐縮です」
リーウィアはサシャの評価を改めた。
彼女はポンコツ騎士ではない。状況を適切に把握できる知性があり、その武力のほども、リーウィアに付けられたことからレウリアーダ内で上位に位置すると思われる。
(……そう、この人は知性と実力を併せ持つ有能な騎士だけれど、性格だけが残念なのだわ)
だけどそれはそれ。
今は迫りくる現実に向き合わなければならない。
「それじゃあ、サシャ。一緒に怒られに行きましょうか」
「奥様に難癖をつける者どもは私が斬り捨てます」
「……ほんとやめてね?」
リーウィアは泣きそうになった。




