表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/10

その2 魔法の変身アイテムを探せ?

 みなさん、こんにちは。相羽のりこです。

突然ですが、みなさんにお伝えしたいことがあります。

 ミント・ハリケーンは、本当に魔女なのかもしれません。

 私は、今、空を飛んでいます。

 魔法のUFOに乗って。

 ・・・・科学は、科学はどこ行った!?



 順を追って、説明しよう。

 なぜ、こんなことになっているのかというと、私が昨日、ミントの変身ポーズに駄目だししたからだ。

 違う! 自業自得なんかじゃない! 絶対に!


 昨日はあの後、夕ご飯の時間まで、新しい変身ポーズの考案につき合わされた。

「他の魔法少女とは、一線を画する、斬新なポーズを!」とか言いながら、ミントが披露した変身ポーズは、どれも怪しげな海草踊りにしか見えなかった。明らかに一線を画しているし、ある意味斬新だとは思う。

 いろいろあきらめて、というかどうでもよくなって、仁王立ちが一番斬新だと思うとい言いかけたところで、ミントが突然「そう言えば、世の魔法少女たちは、変身するときに何かアイテムを使っていた気がする」とか言い始めた。キラキラした瞳で。

 言われてみれば、そんな気もするなーとか思っていたら、ミントの浮かれた声が聞こえてきた。

「新しいペンギングッズ買いに行こう♪ 経費で落とせる。やったー♪」

 経費で、変身アイテムを買う魔法少女。

 夢も希望もないな。


 まあ、そんな理由で、買い物に行くことになったわけだ。

 さすがに、昨日はもう時間も遅かったので、あきらめさせましたが。ええ、あきらめさせました。今日なら、始業式が午前中にあるだけで、午後は丸々買い物に使えるからってことで、なんとか説得したよ。

 万葉女子高は割と山のほうにあって、バスの本数も少ないので、外出するのは結構面倒なんだけど、魔法で特別な乗り物を用意したとか言われて、ちょっと興味をひかれたんだよね。

 それで、ついうかうかと、寮の裏手の茂みの奥に連れて行かれてしまったわけです。

 その茂みの奥で、ミントは周囲に人がいないことを確認すると、

「いでよ、UFO!」

 ・・・・なにか、適当っぽい呪文を唱えた。

 ぼふん、と白煙が立ち込め、煙が晴れると二人掛けサイズのUFOが現れる。

 今更だが、この娘には本当にセンスがない。そして、これしか演出を知らんのか?

 UFOは、よく遊園地とかで見かける、100円とか200円とか入れると、その場で上下とか前後にガコンガコン動き出す、小さいお子様向けの乗り物、あんな感じだった。

「魔法のUFOだよ。さ、乗って、乗って!」

 すでに乗船(乗車?)済みのミントに促され、隣に乗り込む。

「シートベルトしてね」

 シートベルト? あ、ほんとだ、ある。とりあえず、装着。

 ・・・ていうか、ハンドル・・・とか、運転するために必要と思われるものが、どこにも見当たらないんだけど。100円硬貨を入れる場所とかも、見当たらないんだけど。どうやって動くの、これ?

 とか思っていたらば。

「着けた?じゃ、出発!」

 という、ミントの掛け声とともに、UFOは空を飛んだ。

 ふよふよしながら、ゆっくりと垂直に上昇し、ここから落ちたら確実に死ぬなと思える高さで、一端停止。繁華街の辺りに方角を定めると、微妙な速度で進みだした。・・・自転車くらいの速さ?

 てゆうか。ほうきとか掃除機とか絨毯とか。空飛ぶ魔法の乗り物は、ほかにもいろいろあるとゆうのに、なぜこれを選んだ・・・。

 確かにUFOは空を飛ぶ乗り物だけどさ。

 しかし、これ・・・。もう、手品じゃないよね? ピアノ線で吊るす・・・? いやいや、どっから吊るすんだよ。

 一人静かにパニくってたら、ミントが話しかけてきた。

「安心して、のりこ。このUFOは、霊感とか魔力が強い人以外には、見えないように設定してあるから」

 なんだ、その中途半端な設定。

「あと、霊感の強い人たちにも、私たち二人の姿は、銀色で目が大きいタイプの宇宙人に見えるようにしてあるから」

 いらんことをするな。


 まあ、そんな感じで、初の空中散歩は、私の中に『ミントは本当に魔女なのかもしれない』という疑念を残して、よく分からないうちに終わった。

 疑念も何も、ミントは初めから、全肯定なわけですが。

 いい年して、あっさり魔女とか信じちゃうのも、なんだか、自分的に納得いかないといいますか。空まで飛んでおいて、往生際が悪い様な気もしないではないけど。

 寮の自分の部屋に戻ってくると、さっきまでのことは、夢か何かなんじゃないかって気もしてくるんだよね・・・・。

 まあ、世の中、なんでも白黒はっきりつければ、いいってもんでもないよね。うん。



 ちなみに、この日、ミントは変身アイテムを手に入れることはなかった。さんざん街をさまよったあげく、ペンギン柄のマグカップを一つお買い上げした。本人は、満足したみたいだったけど。

 ・・・・魔法少女、関係ないし。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ