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幸福システムで人生逆転~日常編~  作者: 夜空 星龍


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桃瀬ルナと乾杯

 辻原香奈子と別れることを決意し、鷹瀬冴華におっぱい童貞を卒業させてもらった日の夜。

 天城龍太は一人で居酒屋にやって来ていた。

 冴華のおっぱいを揉んだことにより、香奈子の浮気現場を見て湧き上がった負の感情(苛立ち、後悔、悲しみ)は少しだけ和らいだが、家に帰って現実を受け止めると、一人で家にいるのが辛くなり、この世からいなくなりたい情動に駆られそうになったので、あまり強くもないお酒を飲みに来たというわけだ。


「はぁ〜。こんなことになるなら、もっと早く別れるべきだったな」


 龍太はビールをぐびっと飲んでため息をついた。

 香奈子が浮気をしていると知っていて気が付かないふりをしていたのは自分だし、別れたくないと選択したのは自分なので今更文句を言っても仕方ないのは分かっている。

 それに今日、香奈子の浮気現場を目の当たりにして別れる決心がついたので、もうどうでもいいことだった。


「それにしても、柔らかかったな」


 龍太の手には冴華のおっぱいの感触が未だに残っていた。人生で初めて揉んだおっぱいが冴華のおっぱいだなんて未だに信じられなかった。

 それもこれもあの【幸運システム】おかげだ。

 あのシステムが現れた途端、文字通り龍太に幸運が訪れた。

 なぜ突然、あのシステムが龍太の元に現れたのか分からないが、龍太は神様が与えてくれた幸運を素直に受け取ろうと思っていた。


【美女と遭遇しました】


 急に目の前にウインドが現れた。  

(うわっ!? ビックリした!?)

 冴華に対して現れて以来、現れることがなかったウインドがいきなり現れて龍太は椅子から転げ落ちそうになった。

 システムが言っている美女とは誰のことかと店内を見渡すと、龍太の隣の席にピンク色のロングヘアの女性が座った。        

 その女性を見た瞬間にこの人のことだと分かった。

 なぜなら、その女性は冴華並みの美女だったからだ。

(この人、美人過ぎるだろ・・・・・・)


名前:桃瀬ルナ(ももせるな)

年齢:28歳

身長:168㎝

顔面偏差値:97

スタイル偏差値:95

経験人数:121人

好感度:0%(赤の他人)

 

 隣に座った美女の名前は桃瀬ルナというらしい。

 ルナのプロフィールが画面に表示された。

 システムが美女と認定するのには何か条件があるのだろうか。

 冴華との一件があってから、ルナ以外にもいろんな女性とすれ違ったはずなのにシステムが反応したのはルナだけだった。

   

(もしかして、偏差値が一定の基準を超えていないといけないとか? てか、この人経験人数ヤバすぎだろ!?)


 ルナの経験人数を見て龍太は驚いていた。

 経験人数が三桁という数字は童貞の龍太からしたら、とても信じられない数字だった。

 ルナが店員に生ビールといくつかのおつまみを注文したその時、クエストが発生した。


【クエスト発生】

 桃瀬ルナと乾杯をしろ


【クリア報酬】

 50万円 桃瀬ルナの好感度+10%


【失敗時】

 桃瀬ルナの好感度−10%


 このクエストの発生条件もよく分かっていない。 

 しかし、龍太からしたらクエストが発生してくれるのは有難かった。 

 なぜなら、クエストをクリアすれば自動的に対象の美女の好感度が必ず上がるのだから。


(この人と乾杯をしろか・・・・・・)


 居酒屋なのだから、乾杯をすること自体は難しい事ではないので、龍太はルナの元に生ビールが届くのを待つことにした。

 しばらくして、ルナの元にビールが運ばれて来た。

 そのタイミングを見計らって龍太は「あの」とルナに声をかけた。


「もしかして、私?」

「はい。もしよかったら、乾杯してもらえませんか?」


 龍太がそう言うと、ルナは可笑しそうに笑った。


「君、大学生? もしかして、ナンパ?」

「ですね。お姉さんがあまりにも美人だったので声をかけちゃいました」


 ちょっと積極的になってみようと思っていた龍太は自分で言った歯の浮くようなセリフに急激に恥ずかしくなり、顔が熱くなるのを感じていた。


(は、恥ずかしすぎる・・・・・・)


 龍太は顔の火照りを冷ますようにビールを一口飲んだ。

 そんな龍太のことを見て舌なめずりをしたルナ。


(なにこの子。可愛すぎない? 今日はこの子で決まりね♡)


 ルナは一人で居酒屋にやって来ては獲物を見定めてワンナイトをするのが趣味だった。 

 なぜそんなことをしているのかというと、もちろん性欲を発散するという目的もあるが、1番大きな目的は自分の体に合う男を探すことだった。

 顔、性格、お金、価値観、結婚をする相手に求める条件は人によって様々だと思うが、ルナにとってはそれが一番大きな条件だった。

 だからルナは結婚を本気で考えるようになってから、数々の男と一夜を共に過ごしてきた。

 しかし、未だにルナを満足させられる男には出会えていなかった。


「へぇ〜。君、名前は?」

「あ、天城龍太です」

「龍太君ね。私は桃瀬ルナよ。よろしくね」


 ルナがグラスを差し出してきたので、龍太は自分のグラスをぶつけて乾杯をした。 

 乾杯をしたことにより、龍太の目の前に【クエストクリア】という画面が表示された。

 そして、ルナの頭の上に好感度が現れた【現在の桃瀬ルナの好感度10%】。


「龍太君は一人?」

「はい」

「ビールを飲んでるってことは二十歳は超えてるわよね?」

「ですね。先月二十歳になりました」

「いいわね〜。じゃあ、まだお酒の味を知ったばかりって感じだ」

「そうですね。まだ、数回しか飲んでだことないです」

「そっか〜。それで、私に乾杯を求めてくるなんて、何が目的?」


 カウンターに肘をついたルナは挑発的な笑みを龍太に向けた。

 もちろんクエストのためなんてことは言えるわけがなかったので、何かいい言い訳がないかと考えていると、ルナが龍太の股間に手を乗せた。


「こういうことがしたくて私に声をかけたんでしょ?♡」


 そう言ってルナは龍太の耳に優しく息を吹きかけた。

 童貞の龍太には刺激が強くルナの行動に反応しないなんてことは不可能だった。


☆☆☆

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