鷹瀬冴華とハンカチ
「な、なんだ!?」
そのウインド画面が表示された時に龍太の目の前を黒髪の女性が通りかかった。
名前:鷹瀬冴華
年齢:22歳
身長:170㎝
顔面偏差値:96
スタイル偏差値:97
経験人数:0
好感度:0%
おそらく今、目の前を通りかかった黒髪の女性のプロフィールが表示された。
表示された名前に龍太は見覚えがなかった。
「好感度ってこれか」
冴華の好感度は0%だった。
試しにスキルの時みたいに好感度の文字を押してみた。
すると好感度の説明文が表示された。
【好感度】
好感度の%によって親密度が変わる
好感度はいろんな方法で上げることができる(もちろん下がる場合もある)
クエストをクリアすることで好感度が上がる
好感度は0~100%まである
1~10% 顔見知り
10~30% 知人以上
30~50% 友人以上
50~70% 親友以上
70~90% 恋人以上
100% 絶対服従
好感度が100%になると絶対服従状態になる
絶対服従状態になった相手は何でも言うことを聞くようになる
「絶対服従状態・・・・・・」
その状態が何を意味するのか分からないが、その言葉の響きに龍太はゴクっと息を飲んだ。
好感度を100%にしないといけないが、何でも言うことを聞くようになるという説明文にそそられないわけがなかった。
「クエストをクリアしても好感度が上がるんだよな」
三つのスキル以外にも好感度を上げる方法があるみたいだから、龍太にもチャンスがあると思った。
クエストの内容にもよるが、クエストをクリアすれば好感度を上げることができるのは有難かった。
「てか、そのクエストって何なんだ?」
【クエスト発生】
鷹瀬冴華の落としたハンカチを拾って渡せ
【クリア報酬】
鷹瀬冴華の好感度+10%
100万円
【クエスト失敗時】
鷹瀬冴華の好感度-10%
あまりにもいいタイミングでクエストが現れて龍太は可笑しくなって笑った。
「タイミング良過ぎだろ。ハンカチを拾って渡せ、か」
辺りを見渡すと、本当にハンカチが落ちていた。
龍太はそのハンカチの元に向かって拾った。
可愛い小鳥の刺繍の入ったハンカチだった。
「これをあの人に渡せばいいのか?」
かなり前を歩いている冴華の背中を見つめて龍太は呟いた。
考えていても仕方がないので、とりあえず龍太は冴華のことを追うことにした。
「あ、あの、すみません」
何とか冴華に追いついた龍太は声をかけた。
龍太が声をかけると冴華は立ち止まり、龍太の方に振り返った。
(うわ・・・・・・めっちゃ美人)
冴華の顔を見た瞬間、龍太は思わず息を飲んだ。
システムが美女と判定するだけあって、冴華は美人だった。
人によっては大学のマドンナと呼ばれている香奈子よりも美人だと言う人がいるかもしれない。
そんな冴華は龍太のことを見て少し怪訝そうな顔をした。
「私に何か用ですか?」
「え、えっと・・・・・・これ、落としませんでしたか?」
龍太は手に持っていたハンカチを冴華に見せた。
「えっ、嘘・・・・・・」
冴華は龍太が手に持ってたハンカチを見て驚いていた。
(まさかハンカチを落とすなんて・・・・・・)
自分がハンカチを落としてしまっていたことに冴華は自分自身に失望した。
龍太が拾ったハンカチは冴華にとってもとても大切な物だった。
「拾ってくれてありがとう」
龍太からハンカチを受け取った冴華は深々と頭を下げてお礼を言った。
すると【クエストクリアしました。クリア報酬として鷹瀬冴華の好感度が10%上がります。ユーザーの口座に100万円が振り込まれました】という画面が目の前に現れた。
そして、冴華の頭の上に10という数字が現れた。
おそらくその数字が好感度を表しているのだろうということに龍太はすぐに気が付いた。
(なるほど、こうやって好感度を上げるのか)
クエストをクリアして本当に冴華の好感度が上がったのを目の当たりにして龍太は【幸福システム】の現実味を感じていた。
ちなみに、どうやら冴華には画面は見えていないみたいだった。
画面が龍太の目の前に現れても冴華は無反応だった。
「ねぇ、何かお礼をさせてくれないかしら?」
「えっ、お礼ですか?」
「えぇ」
「いやいや、お礼なんていいですよ。俺はハンカチを拾っただけですから」
クエストをクリアするためにハンカチを拾っただけなのでお礼をしてもらうのは
気が引けた。
それにクリア報酬で冴華の好感度が10%上がったということは、もう一つのクリア報酬の100万円もおそらく口座に振り込まれているはずだ。
それだけで十分すぎるほど見返りをもらっている。
「そういうわけにはいかないわ。このハンカチは私にとって大切な物なの。もしも、あなたが拾ってくれてなかったら無くしているところだったわ。だから、お礼をさせて。私にできることなら何でもするわ」
「何でも・・・・・・ですか」
そう言われて龍太の頭の中に思い浮かんだのはエッチなことだった。
だから、龍太の視線は自然と冴華のおっぱいに向いた。
服越しでも分かるほど冴華のおっぱいは豊満だった。
「えぇ、何でもするわ。でも、エッチなこと以外でね。そういうことは私のすべてを捧げてもいいと思った人としかしないって決めてるから」
どうやら冴華は龍太がおっぱいを見ていたことに気が付いていたみたいで、龍太は自分の行いがバレていたことに恥ずかしくなった。
「す、すみません」
「別にいいわよ。そういう視線には慣れてるから。それで、お礼は何がいいのかしら?」
「えっと・・・・・・本当にお礼は大丈夫です」
「だから、それじゃあ、私の気が済まないって言ってるでしょ」
グイっと一歩近づいてきた冴華から柑橘系のフルーティーな香りが漂ってきた。
しばらく龍太のことを見つめた冴華は「仕方ないわね」と小さな声で呟いた。
「触るだけならいいわよ」
「えっ?」
「だから、触るだけならいいって言ってるのよ」
「えっと・・・・・・どういう意味ですか?」
「だから・・・・・・おっぱい、触りたいんでしょ」
冴華は顔を真っ赤にして、龍太に聞こえるか聞こえないかの声でそう言った。
(こ、この人、マジか・・・・・・)
まさか、そんなことを言われると思っていなかった龍太は口を開けて固まった。
☆☆☆




