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里帰り

ミーン・・・とセミの声。

季節は夏。

懐かしい気持ちが戻ってくる。


「もうすぐで着くんだ。」


幸太は電車の中でつぶやく。

今は地元を離れて、

東京でいわゆる『サラリーマン』として生活していて、

毎年決まった日に里帰りをする。

今はその途中の電車の中である。

日ごろの仕事のせいか、電車の中で爆睡をしてしまい、気がつけばもう駅に到着していた。


電車から降りて地元の地を踏むと、

大きなひまわりが出迎えてくれる。

やっぱり都会の生活は息苦しいけれどここに帰ってくると落ち着くな。

そう考えながらのバス停の時刻表を見る。


10時台だと・・・23分か。

駅から家まではバスで約15分のところにある。

今はまだ5分だから幸太は自動販売機でコーラを買い、

イスに座りボーっと考えていた。


「もうあれから10年も経つのか・・・。」


ボソっと口に出す。

そうしてるうちにバスが来て、ドアが開く。

黙ってバスに乗り込み、前のほうの座席に座り、ずーっと窓ガラス越しから外の風景を眺めていた。

大きなひまわりが咲いた小さな路地。

ココは中学のときの通学路だったな。

いつも3人で一緒に楽しく・・・いや、楽しくじゃなくて正確には忙しく慌てながら毎日通ったな。

あ、この川。

3人でよくふざけあったな。

花火もしたな。バーベキューも。

外の風景は毎年見てもやっぱりなぜか懐かしく、

僕が戻ってくるのを思い出とともに歓迎しているかのように思えた。


ココには3人でのたくさんの楽しかった思い出が詰まり詰まっている。

同時に僕達の思い出したくもない記憶を思い出させる。



ココには思い出が詰まりすぎている・・・。

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