↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
人見知り勇者さんは、今日もどこかでぼっち飯。  作者: 天野 肇
9食目 真夜中にすする、龍癒茶の味噌焼きおにぎり茶漬け。

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

28/46

2


 迷う間もなく、食器棚からどんぶりを引っ掴み、フライパンから焼きおにぎりをそこに投入。


 湯気立つ金色の龍癒茶を、まだ熱を帯びた焼きおにぎりへと静かに、丁寧に注ぎ入れる。


 蝋燭の灯りに静かに照らされた、輝ける金色の泉、その中心に浮かぶ焼き味噌の程よい焦げ目が食欲を掻き立てる、おにぎりの孤島。


 その上に、乾燥ネギを適当に散らして……完成だ。


 無音の厨房でしばらく、湯気を踊らせたその一品をしげしげ眺める。


 いや、うん。

 即席にしてはなかなか、いいんじゃなかろうか。


 俺はどんぶりを引き寄せ、匙の先を龍癒茶を吸った焼きおにぎりに差し入れる。


 カリッ……と硬い焼き目が、小さな音を立てて割れて、焼き味噌の香りがふわぁあと立ち上る。



「あつ……ッ」


 湯気を冷ますことなく一口噛めば、焦げた味噌のしょっぱさと、龍癒茶のほろ苦さが静かに交わり、深く、ゆっくりと、傷ついた全身に染み渡った。


 湯船に浸かるような心地よさに、思わず、ほわぁあ〜と情けなく息を吐く。


 血の巡りが戻ってくるような、節々の痛みがゆっくりほぐれていく感覚。


 俺は無言のまま、二匙、三匙と口に運んでいく。


 うまい……。


 匙で崩すたび、表面の香ばしさが破られ、米と茶が馴染んで、味が少しずつ変わっていくのが楽しい。散らした乾燥ネギも良いアクセントになっている。


 戦士のおにぎり……なかなかうまい……。


 などと考えていると、ふとデジャヴを感じて手が止まった。


 ……ちょっと待て。


 これ、戦士が握ったおにぎり…………だよな。


 脳裏をよぎる……脅威のお粥グランプリの記憶。


 以前、善意100%で混入された、栄養満点の――。


 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。