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【2章完結】記憶喪失勇者 ~最強の勇者は、自分が何者なのかを知らない~  作者: さいらす
第2章

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2-10 錬金術

「なんだ、サイラスはおっぱいが好きなのか~。意外とエッチなんだね。でも、まあ年ごろの男の子が女の裸に興味があるのは普通のことだし、仕方ないかもね」


「それがわかってるなら、なんで裸で男湯に入ってくるんだよ!」


「にゃはは、剣聖の里では男も女も関係なく、みんないっしょに川で汗を流してたんだよ。だから、サイラスの背中も流してあげようかなって」


 カレラは、すこしだけ申し訳なさそうに、ぽりぽりと自分の黒い猫耳をかいた。


(本当に反省してるのかな……)


 そこにルナが戻ってきた。


「やはり、サイラスも大きな胸が好きなのか?」


「ルナまでなにを言い出すんだよ!」


「いや、今日、風呂のなかでラツィがエミルの胸を揉んでいたんだが――」


 隣で寝ているエミルが、ぴくりと動いたような気がした。


「女湯でそんなことしてたのかよ……」


「男でなくとも、柔らかい身体というものには憧れるよ。私はこんな身体だからな」


 ルナは自分の腕を叩いた。こつこつと硬い音がする。


「触ってみたいと思う気持ちはなんとなくわかるんだ。エミルもラツィも女らしい柔らかそうな、とても綺麗な身体をしている。それが女の魅力というものだと思う」


(なんだか急にしんみりしてきたぞ)


「私の硬い身体に触れたいなどと思う男はいないだろうからな」


 女神像のような魔導人形は、ふんと鼻を鳴らした。


「柔らかくしてみるでありますか?」


 ルナの隣に座る魔族の執事が、事もなげに言った。


「えっ!?」


「我のスキルで、ルナ殿の身体を人族のように柔らかくしてみるでありますか?」


「で、できるのか? そんなことが」


(いや待って。さらっとすごいこと言わなかった?)


「はい。前に我のスキルは土の精霊術に似ていると申し上げたのでありますが、正確に申し上げますと、ある物質を、それとはまったく異なる物質に変えることができるスキルなのであります」


「う~ん、具体的にはどんなことができるのかな? ボクにも見せてよ」


 赤い顔をしたカレラが、テーブルに身を乗り出して食いついた。


「そうでありますね。これはご主人さまにお見せしようと思って、街に入る前に拾っておいた小石なのでありますが――」


 マルバンが手のひらに小さな石を載せる。


「我はこれを、人族が喜ぶ宝石に変えることができるのであります。……《錬金術(ムタス・リベル)》」


 小石が、まるで手品のように青い宝石に変わった。


「ええええ!?」


「すごいよマルバン! 玉石混交、自給自足だね!」


 カレラが大きな黒い瞳を見開いて、魔族の執事を見た。


(玉石混交の使い方が完全に間違ってるけど、まあいいか)


「もちろん、金や魔晶石は作れないでありますし、金剛石を作るのは大変なので、ごく小さなものしか作れないのでありますが、ご主人さまの瞳の紅玉やルナ殿の瞳の蒼玉、エミル殿の瞳の翠玉くらいであれば、造作もないことであります」


 マルバンが、いま作ったばかりの蒼玉を、サイラスのほうにころころと転がしながら微笑んだ。


「それって、まったくお金に困らないんじゃ……?」


「ええ、魔界ではあまり珍重されないのでありますが、人界ではそれなりに価値があるようで、路銀には困らずにすんだのであります」


 カレラがテーブルの上の蒼玉を手に取って、本物かどうか見極めるかのように、しげしげと見つめる。


「魔界ではものを交換する習慣がなく、欲しいものは力ずくで奪うのが普通でありますので、宝石を作ることはなかったのであります。でも、こちらでは我のスキルも役に立って、よかったのであります」


(あれ? 自分の魔晶石なんて差し出さなくても、いくらでもスキルで報酬が作れるんじゃないのか? まあ、仲間を助けるのに報酬なんていらないけどね)


『ユニークスキル《錬金術(ムタス・リベル)》を確認。解析します……』


 頭のなかで、いつもの声がする。


『ユニークスキル《錬金術(ムタス・リベル)》の解析完了。複製して保存しました……』


(また勝手にコピーしてるし。まあ、便利だからいいけど)


「姫さまたちの救出に向かった際には、土を蒸気に変えてトンネルを掘ったのでありますが、救出後の安全のために、かなり遠いところから掘りはじめたので、時間がかかってしまったのであります……」


 マルバンが悲しそうに目を伏せた。


(ベタクロフのところからラツィたちを助け出したときのことか)


 いつの間にか目を覚ましていたラツィが、マルバンの後ろに立っていた。黙って、執事の肩に優しく手を置く。


「ラツィ、もう大丈夫なの?」


「……はい、我が主さま。お酒は抜けましたが……セフィはまだ寝ています」


 燃えるように赤い髪をした魔族の美少女は、すこし恥ずかしそうに白い頬を染めて、サイラスに微笑んだ。


(さっきセフィがしたこと、ラツィも覚えてるんだよな)


「土を蒸気に変えられるなら、人間を蒸気にすることもできるんじゃないの?」


 カレラが物騒なことをマルバンに尋ねる。


「いえ、人族の身体のように複雑なものをなにかに変えることはできないのであります。着ている鎧や武器なら溶かすこともできるのでありますが」


「それはそれですごいけど――ルナの身体を柔らかくするって話だったよね?」


 サイラスが話を戻した。


「記憶喪失勇者」2-10を読んでいただき、本当にありがとうございます!!

さいらすと申します。


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挿絵をChatGPTに描いてもらいました!


挿絵(By みてみん)




※この小説は執筆に一部、AIを使用しています。

・自身で執筆した文章をAIに改変させているが、再度全て自分で編集・改稿

・自身で執筆した文章の誤字・脱字チェック

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