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【2章完結】記憶喪失勇者 ~最強の勇者は、自分が何者なのかを知らない~  作者: さいらす
世界観設定資料

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1-71 世界観設定資料5 《マルバンの日記》と《リーンの街について》

※この章は世界観設定資料です。お時間のあるときに読んでいただけると物語がより楽しめるかも? です!


 執事たる者、いかなるときも取り乱してはならぬのであります。なれど、この日記にだけは、本心を記すことをお許し願いたい。


 いまから八百年前のことであります。リーミア大陸に四ヶ所存在するエルフ族の聖地――そのひとつ“火の森”から、突如として、火山の噴火のごとき猛烈な火柱が吹き上がったのであります。


 天にも届かんばかりの火柱から広がった炎は、洪水のように森を飲み込み、そのすべてを焼き尽くしました。美しかった森は、草木一本生えぬ死の荒野へと変わり果てたのであります。


 そこにご出現なされたのが、爆炎の魔王と呼ばれ恐れられた、魔王国アルージュの魔王――我が主アノンさまであります。


 魔王出現の報を受け、トロワール大公国を旅立ったのが、金髪紅眼の勇者レギウス。勇者は先祖が遺した剣と盾を携え、新たに女神より蒼天のごとき鎧を授かり、七人の従者とともに、ドワンテロ大公国の東の地で魔王アノンさまと死闘を繰り広げたのであります。


 長く激しい戦いの末、魔王は勇者に討たれ、アノンさまの治めておられた魔界の第四魔王国アルージュは、その支配を巡り、二十七の魔将とその軍団による血みどろの抗争へと突入したのでありました。この不毛な争いは、その後、何百年も続くことになったのであります。


 そして、いまから数年ほど前のこと――八百年にも及んだ戦いを制したのが、アルージュの第一魔将ベタクロフでありました。


 ベタクロフの戦闘力など、魔王アノンさまの足元にも及びませぬ。なれど、あの豚顔の魔将はある特別なスキルを持っており、その力をもってアルージュを支配したのであります。


 魔王アノンさまには、双子の美しい姫君がおられました。“魔王国アルージュの至宝《魔王アノンのふたつの宝石》”――ラツィさまと、その妹君のセフィさまであります。


 燃えるように赤い髪の、気高きラツィさま、凍えるような水色の髪の、聡明で物静かなセフィさま。魔界の巨匠が創り上げた精巧な人形のごとく美しいおふたりは、ベタクロフにとって特別な“お気に入り”でもありました。


 唯一、自らのスキルが通用せぬ相手――魔王アノンさまに、あの男は筋違いの恨みを抱いておりました。それゆえベタクロフは、アノンさまの忘れ形見を捕らえ、嬲り、慰みものにすることを、ずっと夢見てきたのであります。……おぞましきことであります。


 アルージュを手中に収めたいま、その野望を果たす機会が、ついに訪れてしまいました。ベタクロフは、アルージュの二十七魔将のなかでも、最も冷酷で、最も性根の歪んだ怪物――常軌を逸したサディストであります。あの下卑た笑い声を思い出すだけで、ペンを持つ手が震えるのであります。


 狂った欲望に燃えるあの男は、配下の者すべてに号令をかけ、アルージュ全土をしらみ潰しに探させ、おふたりの姫君を追いまわしました。そうして――おいたわしくも、双子の姫君は、あの残虐な異常者の手に囚われてしまったのであります。


 この日のことを、我は生涯、許さぬのであります。


※ラツィとセフィがベタクロフに囚われた後のマルバンの個人的な日記をパールがスキル《魔界図書館》で覗き見た記憶より。マルバン本人は、誰にも読まれていないと信じている。


◆


 いま、わたしが訪れているのはトロワール大公国の首都リーン。


 ガリウス王国の王都ガリウスに次いで、王国内で二番目の人口を誇る巨大な都市である。


 リーンはダヌビス川と呼ばれるガリウス王国一の大河がその中央を流れ、川を境に東側が貴族街、西側が平民街に分かれている。


 貴族街は大公の住むメルクリウス宮殿を中心に、貴族や大商人たちの立派な邸宅が建ち並ぶ。背の高い豪華な建物が多いが、すこし古臭い街並みだ。


 西側の平民街は、川沿いに建てられた巨大な創造神ソラの神殿とそれを囲む広場を起点に、西へ向かって遠くまで街並みが広がっている。


 リーンの貴族街と平民街をつなぐのは、ダヌビス川に架けられたふたつの大きな橋だけだ。貴族街は要塞のような高い城壁に囲まれて外敵から守られ、平民街からは通行証がなければ入ることもできない。


 しかし、貴族街はこの都市の政治の中心ではあるが、どちらかと言えば街外れに位置し、当然だが人口の大多数が生活しているのは平民街のほうになる。


 かつてトロワール大公国がトロワール王国だった二千年も前には、平民街も城壁に守られていたのだが、魔王ギリヨンの軍勢に西側の城壁が破壊されてしまい、その後の復興で人口がどんどん増え、街が西に広がっていった結果、新たに城壁が造られることはなかった。


 これほどまでにリーンの人口が増えた理由は、北にある王都とダヌビス川でつながっており、南にあるデュランダル王国との中継地点として交易が盛んなことと、ガリウス王国一の規模を誇る創造神ソラ神殿の存在であろう。


 実際、ガリウス王国中から巡礼者がやってくるし、はるか東方の神聖アルジュナ皇国のクルセイダーたちが、デュランダル王国を目指す途中に必ず立ち寄る場所でもある。


 トロワール大公家が神聖術の振興に力を入れているということもあり、神聖術士を目指す若者たちにとってもリーンの大神殿は憧れの場所なのであった。


 創造神ソラ神殿の近くには、商社の大きな建物や倉庫があり、冒険者ギルドの支部や若い神聖術士と精霊術士のための学院などもあった。


 ガリウス王国南部の庶民の若者たちが成功を夢見て訪れる街、それがトロワール大公国の首都リーンなのである。


――トリマン著『ガリウス王国紀行』より抜粋――


「記憶喪失勇者」1-71を読んでいただき、本当にありがとうございます!!

さいらすと申します。


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世界観設定資料5です。ここまで読んでいただき、本当にありがとうございます!

引き続き、2章もよろしくお願いします!


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※この小説は執筆に一部、AIを使用しています。

・自身で執筆した文章をAIに改変させているが、再度全て自分で編集・改稿

・自身で執筆した文章の誤字・脱字チェック

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