↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【2章完結】記憶喪失勇者 ~最強の勇者は、自分が何者なのかを知らない~  作者: さいらす
第1章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

64/136

1-64 七支族

 夜も更けて、それぞれが焚き火の周りで横になりはじめたころ、猫人族の女剣士カレラがふさふさの尻尾をぱたぱたと揺らしながら、サイラスの近くに寄ってきた。


 寝転がっているサイラスの目の前に座り、顔を近づけてくる。


(距離が近いな)


 それまでサイラスは、あまり近くでじっくりとカレラの顔を見たことはなかった。


 頭の上に乗っている三角形の猫耳の外側は髪の毛と同じ黒色だが、内側には白い毛が生えている。腰まで伸ばした黒髪はしっとりとして艶やかだ。


 猫っぽい吊り目をしているが、顔は人間とまったく変わらない。くっきりとした眉に長い睫毛、大きな黒い瞳、小さな可愛らしい鼻と薄紅色の柔らかそうな唇。すこし童顔だが、かなりの美人だと言っていいだろう。


 それなのに、白い道着の隙間から覗く豊かな谷間に、思わず目がいってしまう。カレラが上から顔を近づけると、必然的に自らの重みで道着を押し下げようとする、ふたつの巨大な球体が目の前に迫ってくる。


 健康そうに日焼けした小麦色の肌が、野性的な色気を放っていた。


 サイラスは慌てて立ち上がり、後ずさった。


「な、なにか用? カレラ」


「にゃはは、逃げなくても大丈夫だよ。別にこんなところで襲ったりしないから。まぁ、ボクは容姿端麗、才色兼備、安産型だってよく言われるから、緊張するのも無理はないけどね」


(あ、安産型!?)


「あらためてよろしくね、勇者サイラス。キミの旅に同行させてくれて、ありがとう。それが言いたかったんだ」


(なんだ、ちゃんとお礼を言いにきたのか)


 変な方向に話が行く前に、サイラスはパールに聞きたかったけれど聞けなかったことを、カレラに聞いてみることにした。


(あのフクロウ、なんだか苦手なんだよね。僕のこと嫌ってるみたいだし……)


「こ、こちらこそよろしく。それで、あの、カレラは僕以外の勇者候補について、なにか知ってる? 他にもいるみたいなんだけどさ」


 カレラは目をぱちくりとさせた。


「ああ、勇者候補ね~。う~ん、ボクはほとんど里にこもってたから、見たこともないけど、有力なのはユヌリス大公家のシリウスとドワンテロ大公家のウルリックだろうね。ふたりとも金髪紅眼だから、生まれたときから勇者候補っていわれてて、それぞれの家から出た過去の勇者の名前をつけられたんだよ」


「王家の血を引いてたら、みんな金髪紅眼なんじゃないのか? ベガリア辺境伯のソフィアさんは金色の髪で赤い目をしてたけど」


「いや、ガリウス王家はそうみたいだけど、七支族はそうでもないみたい。だから金髪紅眼が生まれると喜ばれるみたいだよ。勇者じゃなかったとしても、ガリウス王家の婿だったり嫁だったりの候補になるみたいだし」


 サイラスは腕を組んで、難しい顔になった。


「ところで、七支族ってなに?」


「にゃはは、サイラスは記憶喪失なんだったね。七支族って言うのは、勇者ガリウスの血を引く、ユヌリス、ドワンテロ、トロワールの三つの大公国と、そこから分かれたキャスタル、セットリア、サンクレス、シスレートの四つの公国を支配する大貴族さまたちのことだよ。この七支族のなかから四百年に一度、勇者の候補があらわれるっていわれてるんだ。ちなみに、勇者サイラスはセットリアの出身だったね」


 カレラが片目をつぶって、悪戯っぽく微笑んだ。


「へー、勇者候補は七支族のなかから出てくるのか」


(四百年前の僕も、その七支族のひとつの出身だったってことか)


「うん。いまの七支族の後継者では、ユヌリス大公家のシリウスとドワンテロ大公家のウルリック、それとシスレート公爵家のソフィアだけが金髪紅眼だったんじゃないかな」


「じゃあ、その三人が勇者候補ってことなの?」


「まあ、そうなるかな。でも、さっきも言ったけど強いのはシリウスとウルリックのふたりだけだよ。シリウスは王国唯一の剣術士ランク10だし、ウルリックも剣術士ランク9だといわれてる。ふたりは歳も近いし、ライバルなんだ」


「確かにソフィアさんは、そんなに強そうには見えなかったかな。でも、剣術士ランク10ってことは、そのシリウスって人、シエラゴさんよりも強いんじゃ……」


 カレラの耳がぴくりと動き、大きな黒い瞳が見開かれた。


「そうなんだよっ! でも、シエラゴ叔父さんだって王国に三人しかいない剣術士ランク9のうちのひとりなんだからね。でも……やっぱ剣聖なんて名乗ってるのに一番じゃないのは、ちょっと悔しいよね……。ボクは剣聖の名を引き継ぐためにも、もっともっと修行してランク10を目指すよ。シリウスにだって負けないくらい強くなる。まだランク6だけどね! サイラス、いっしょに修行して絶対に強くなろうね!」


「ああ、そうだね。いっしょに頑張ろう」


「そうとなったら、明日から特訓だ! サイラスには獣神流の形をきっちり覚えてもらうからね! 以心伝心、切磋琢磨だね!」


 カレラはそれだけ話すと、すこし赤い顔で自分が座っていた場所に戻っていった。


「記憶喪失勇者」1-64を読んでいただき、本当にありがとうございます!!

さいらすと申します。


もし、この小説を読んで、すこしでも面白いと思っていただけたら

【☆☆☆☆☆】をタップして、★をいただけると嬉しいです!


ブックマークで応援していただけると、とてもとても嬉しいです!!

あなた様の応援が、何よりの原動力です。よろしくお願いいたします!!


挿絵をChatGPTに描いてもらいました!


挿絵(By みてみん)




※この小説は執筆に一部、AIを使用しています。

・自身で執筆した文章をAIに改変させているが、再度全て自分で編集・改稿

・自身で執筆した文章の誤字・脱字チェック

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
よろしければ、こちらの作品もお読みください。
『勇者レギウス ~最弱勇者と最強従者~』はこちら 本編の800年前のお話です。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。