↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【2章完結】記憶喪失勇者 ~最強の勇者は、自分が何者なのかを知らない~  作者: さいらす
第1章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

60/136

1-60 仲間

 剣聖の里を発ったサイラスたちは、ウリエル川のせせらぎを右手に聞きながら、ラグーツを目指し、朝の光のなかを北に向かっていた。


 先頭をゆくサイラスが、仲間たちを振り返った。右隣には、いつも通りエミルがいる。サイラスの後ろにはルナが続き、その右腕に水色の髪の少女――セフィがちゃっかりぶら下がってニコニコしていた。ルナの後ろはマルバンで、その肩には黄金のフクロウ、パールがとまっている。


 そこまではいつもと変わらない光景だった。だが――。


 マルバンの隣を、新しく仲間に加わったカレラが、腰まで伸びた黒髪を揺らし、何食わぬ顔で歩いている。


(そういえば)


 サイラスは、足を緩めた。


(カレラに、みんなのこと、まだちゃんと紹介してなかったな)


 昨日からいろいろとあって、すっかり忘れていた。せっかく仲間になってくれたのに、これではあんまりだ。


「カレラ。いまさらだけど、みんなのこと、紹介してなかったよね」


「言われてみればそうだねぇ。なんとなくで、いっしょにいちゃったよ」


 カレラが黒い猫耳をぴくりと立てて、にゃははと笑った。


「僕の隣にいるのがエミル。エミルの村で目が覚めてから、ずっといっしょに旅をしてるんだ。料理がすっごく上手で、いつも僕たちのご飯を作ってくれてる」


「よ、よろしくお願いします、カレラさん」


「カレラでいいってば。エミルは料理が得意なんだね。それじゃあ、すぐにでもサイラスのお嫁に行けちゃうねぇ」


「はうっ、そんな……」


 エミルが頬を染めてうつむく。


「それで、僕の後ろにいるのがルナ。四百年もの間、勇者の盾をずっと守りつづけてくれてた、特別な魔導人形なんだ」


「それが私の使命だったからな。よろしく頼む、カレラ」


 ルナが胸を張って、得意げに空色の瞳を輝かせた。


「四百年!? すっごいねぇ。気が遠くなりそうだよ」


「でも、四百年も経ってるのに、肌がつるつるだね。ちょっと触ってもいい?」


「断る」


「にゃはは、即答。ケチ~」


「黒い服を着てるのがマルバン。肩のフクロウはパール。あと、ルナにぶら下がってるのがセフィ」


「よろしくであります、カレラ殿」


 マルバンが胸に手を当てて、優雅にお辞儀をした。


「マルバンとは昨日も今朝も、話したね。それにしても、人の言葉を真似する鳥がいるってのは聞いたことあるけど……ちゃんとしゃべる鳥がいるなんてねぇ。ボク、朝からびっくりしっぱなしだよ」


「ふん。私を、そこらの鳥といっしょにするな」


 パールがくるりと頭を回して、顔を後ろにそむけた。その仕草に、カレラはますます感心したように尻尾を揺らす。


「じゃあ、パールはなでてもいい?」


「断る」


「にゃっ、こっちも即答だ」


 カレラは耳をぺたんと倒したが、尻尾はなぜか楽しそうに揺れていた。


「それにしても、この子……」


 カレラが、ルナの腕にぶら下がるセフィを覗き込む。水色の髪の少女は、こてんと首をかしげて、ひまわりのような笑顔を返した。


「すっごい可愛いねぇ! ほっぺもちもちだよ。……あれ? そういえば、朝ごはんのときにテーブルに突っ伏してた赤い髪の子は、どこにいったの?」


 その瞬間。


 セフィの水色の髪が、根元から、すうっとにじむように赤く染まっていった。ふたつに結われたツインテールが、燃えるような赤に変わる。あどけなかった顔つきが引き締まり、金色の瞳に強い光が宿った。


「……わたくしのことでしょうか?」


「にゃっ!?」


 カレラが、目をまんまるに見開いた。


「あ、赤い髪の子が、出てきた!? ど、どうなってるの!?」


「……わたくしとセフィは双子。ひとつの身体を分け合っているのです」


 ラツィは赤い唇の端を歪めて、ゆったりと答えた。


「……我が主さまの奴隷のひとりに加えるなら、隠していても仕方がありません。先に教えておいてあげましょう。――わたくしとセフィ、そしてマルバンとパールは、魔族です」


 その一言で。


 カレラの毛が逆立ち、黒い瞳の瞳孔がすっと細くなった。


「――ッ」


 ふわり、と猫のように身をひるがえし、カレラは後ろへ大きく飛びすさる。同時に背負っていた太刀を下ろし、鞘を投げ捨てて、細く長い刀を抜き放っていた。


「《獣神分身》」


 カレラの身体が、三つに分かれる。本体とふたつの分身が、いますぐにでもラツィへ飛びかかれるように刃を構えた。


「サイラス……」


 その声は、低く、静かだった。


「どうして、勇者のパーティに、魔族がいるのさ」


「記憶喪失勇者」1-60を読んでいただき、本当にありがとうございます!!

さいらすと申します。


もし、この小説を読んで、すこしでも面白いと思っていただけたら

【☆☆☆☆☆】をタップして、★をいただけると嬉しいです!


ブックマークで応援していただけると、とてもとても嬉しいです!!

あなた様の応援が、何よりの原動力です。よろしくお願いいたします!!


挿絵をChatGPTに描いてもらいました!


挿絵(By みてみん)




※この小説は執筆に一部、AIを使用しています。

・自身で執筆した文章をAIに改変させているが、再度全て自分で編集・改稿

・自身で執筆した文章の誤字・脱字チェック

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
よろしければ、こちらの作品もお読みください。
『勇者レギウス ~最弱勇者と最強従者~』はこちら 本編の800年前のお話です。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。