↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【2章完結】記憶喪失勇者 ~最強の勇者は、自分が何者なのかを知らない~  作者: さいらす
第1章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

53/136

1-53 手合わせ

「勇者だ! 勇者だ!」


 猫人族の子供たちがサイラスの周りに群がってきた。盾や服が引っ張られる。ラツィやエミル、ルナやマルバンも子供たちに取り囲まれていた。とくにラツィは大人気でもみくちゃになっている。パールも乱暴に持ち上げられたり、羽を引っ張られたりしていた。


「大丈夫か? ラツィ」


「……ふふふ、我が主さま。もふもふがいっぱいです」


 ラツィは、マレス族の子供たちに囲まれて、うっとりしていた。さっき「一匹ほしい」と言っていたのは、わりと本気だったのかもしれない。


 ルナの背中には、三人の子供がよじ登っていた。


「おい、私に登るな。……こら、髪を引っ張るんじゃない」


 口では叱りながらも、ルナは子供たちが落ちないように、そっと腕で支えている。


「ほらほら、みんな、そこをどいてボクを通して」


「わぁぁあ、カレラだ!」


 凛とした若い女性の声に、子供たちが道を作るように、さっと左右に割れた。


 サイラスの前にあらわれたのは、長い黒髪に黒い瞳の背の高い女性だった。サイラスよりもすこしだけ低い、百七十センチくらいだろうか。髪と同じ色の猫耳とふさふさした尻尾で、人族ではないことがわかる。


 日に焼けた小麦色の健康的な肌。胸元の開いた白い道着から、豊かな谷間が目に飛び込んできて、思わずサイラスは目をそむけた。


「サイラスくん……」


 背中に、エミルの小さな声が刺さった。


(み、見てないよ! なにも見てない!)


「勇者の剣を岩から引き抜いたのはキミかい? つまりキミが勇者ってことだね。ボクはカレラ。この里で剣聖を目指して剣の修行をしてるんだ」


「カレラと勇者が手合わせだ! 手合わせだ!」


 カレラと名乗った猫人族の女性は、手に長い木刀を持っていた。周りの子供たちが歓声を上げ、走りまわる。


「カレラはめちゃくちゃ強いんだぞー。勇者なんかやっつけちゃえ!」


 カレラは子供たちに大人気だった。きっとこの里の実力者なのだろう。ほどなくして、子供たちの間から、もうひとり背の高い大人のマレス族がサイラスの前にやってきた。こちらは落ち着いた雰囲気のたくましい初老の男性だ。


「お初にお目にかかります勇者さま。私はこの里の長で第十三代剣聖シエラゴと申します。こちらは私の弟子のカレラ。私たちは、ずっとあなたさまがいらっしゃるのをお待ちしておりました」


 剣聖シエラゴもカレラと同じ黒髪だが、ところどころに白髪が混じっている。どことなくカレラと雰囲気が似ているような気がした。


「サイラスです」


 サイラスも名乗り、ぺこりと一礼する。シエラゴの横に、カレラが音も立てずに移動した。ふさふさの尻尾を揺らして、悪戯っ子のような笑みを浮かべている。


(猫人族って嬉しいと尻尾が揺れるのか。猫耳なのに犬みたいだな)


「ボクは勇者があらわれるのをずっと楽しみにしてたんだ。ねぇ、せっかくだから手合わせしようよ?」


 子供たちにはやし立てられて、カレラもその気になったのか、サイラスに手合わせを申し込む。


「えぇ!? 手合わせですか」


「すみません、勇者さま。私からもお願いします。カレラと手合わせをしてはいただけませんでしょうか? 勇者さまの強さが見られれば里の者たちも喜びます」


 剣聖シエラゴが頭を下げた。


「……くくくっ、我が主さま。身のほど知らずな獣人族の女など、真っぷたつにしてくださいませ」


「にゃは、そっちの赤い髪の子、可愛い顔して言うことが過激だねぇ。でも、ボク、そういうの嫌いじゃないよ」


「……獣人族風情に好かれても、嬉しくありません」


「にゃはは、つれないなぁ。じゃあ、ボクが勝ったら仲良くしてよね。先手必勝、一刀両断ってね!」


「物騒なことを言うなよ、ラツィ……わかりました。手合わせしましょう」


 サイラスは仲間たちの顔を見まわした。エミルは曇った顔をし、マルバンは興味津々で、ラツィは不敵な表情。ルナは無表情だったが、いつでもサイラスの前に飛び出せるように身構えている。


(ルナ、出番はないから大丈夫だよ)


 カレラがどれだけ強いのかわからなかったが、強敵なら、きっとスキルも発動するだろうし、いきなりやられるということはないだろう。


 サイラスは覚悟を決めた。


「記憶喪失勇者」1-53を読んでいただき、本当にありがとうございます!!

さいらすと申します。


もし、この小説を読んで、すこしでも面白いと思っていただけたら

【☆☆☆☆☆】をタップして、★をいただけると嬉しいです!


ブックマークで応援していただけると、とてもとても嬉しいです!!

あなた様の応援が、何よりの原動力です。よろしくお願いいたします!!


※『勇者レギウス ~最弱勇者と最強従者~』という小説も書いています。

※本編の800年前のお話です。

※リンクはあとがきの下にあります!


挿絵をChatGPTに描いてもらいました!


挿絵(By みてみん)




※この小説は執筆に一部、AIを使用しています。

・自身で執筆した文章をAIに改変させているが、再度全て自分で編集・改稿

・自身で執筆した文章の誤字・脱字チェック

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
よろしければ、こちらの作品もお読みください。
『勇者レギウス ~最弱勇者と最強従者~』はこちら 本編の800年前のお話です。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。