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想いの行方  作者: ぽんこつ


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26/34

ん?

私が東京の大学に進学するのを知っているのは。

亜季に志帆に岡田。

先生やクラスメイト。

家族に親戚くらい。

だよ。

その中の誰かが。

ラブレターの送り主が。

彼だとしても。

話したか。

教えたか。

頬を膨らまして。

手紙とにらめっこ。

どうして明日なんだろ?

ん?

私が週末に東京に引っ越すのも知っている?

って。

こと?

ですか?

そうなると。

範囲は狭くなる。

幼馴染み3人と家族に親戚くらい。

だと思う。

でも。

なんで。

ラブレターにしたのかな?

直接言ってればくれたら……

いや。

私の場合。

言われても……

ね。

うじうじしそう。

それに。

差出人も。

直接言えない小心者って。

わざわざ書いてるし。

「はぁ……」


3月10日――

日付自体には。

全く心当たりがない。

でも。

私のことだから。

忘れている可能性大なんだけどね。

どっちにしろ差出人は。

私のことを知っている。

だから。

靴箱に手紙を入れた。

ん?

靴箱に入れたということは。

やっぱり高校の関係者?

だよね。

でも。

卒業式だから。

人の出入りはあったのか……

あー。

もう誰ですかー。

髪の毛をわさわさとかきむしる。

普通。

アニメや映画だと。

こんな時に閃くよね。

私は……

閃かなーい。


バンザイをして。

そのまま床に寝そべった。

夢が暗示してるのは実らない恋。

ラブレターの文字の跳ねの部分の共通点。

あの小瓶の匂い。

ダメだ。

ぐるぐるループしてる、

ラブレターにもそんな文句があったっけ。

彼だとしても。

想い出はテニスをしたこと。

あれ?

彼とはどうやって出逢ったんだっけ?

「よっ!」

体を起こして。

亜季たちにメッセージを送る。

「私が小学校の頃、テニスをして遊んでいた男の子。どこで知り合ったか知ってたら教えて」

文字を打ち込んでて。

これ。

私って大丈夫?

って。

情けなくなったよ。

なんかさ。

もうダメな子だよね。

はあ……

でも。

送りました。


ピコン。

誰かな。

志帆だ。

『知らないよ。でも、あの頃、よく遊んでたよね菫。もしかして、その子なの? 例のラブレター?』

「うーん。分かんないけど。ちょっと気になったんだ」

『とにかく、明日になったら分かるよ。11時に菫の家に行くからね!』

「分かった。待ってるね」

ふーん。

志帆は楽観的だね。

ピコン。

はい。

次は。

亜季。

『菫。大丈夫? なんかラブレターに憑りつかれてない?』

『さすがに分からないけど、おばさんとかのが知ってるんじゃない?』

『とにかく。菫は考え過ぎるからね。まあ、言っても考えちゃうけどね』

「ありがとう亜季。おかげ様で沼ってるよ。そうだねお母さんに聞いてみる」

ふぅ。

さすがに亜季だね。

子供の頃なら。

お母さんが知ってる可能性もあるわけか。


よし。

「あのさ、私が小学校の頃、運動公園でテニスをしてた男の子のこと覚えてる?」

『なに? もう降りてきなさいよ』

ははは。

そうだよね。

お読み下さりありがとうございます。

感謝しております。

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