もちつもたれて。
ピコン。
ビクッ。
パチッと目が開く。
いけない。
うとうとしかけてた。
うーん。
スマホを取って。
画面を見つめる。
ん?
岡田からだ。
『俺がラブレター書くわけないだろ。昔は好きかもって思ったけどな』
え?
あ。
へへ。
そうなんだ。
「ふーん。昔はね」
『ちなみに。お前も志帆も亜季も。一瞬、好きだったことがある』
『まあ、気の迷いだったんだろうな』
『でも、なんか違った。恋人って想像出来なかった』
『でもな、大切な奴等には変わりない。男一人でやんなる時もあったけど』
『みんな大切な友達だと思ってる。ほら、日本は結婚相手一人だろ? 一夫多妻なら、まとめて面倒見れるけどな』
うわうわ。
ある意味。
告白の連投。
仰向けになって。
文字を見返す。
笑みがわいてきて。
思わず画面をでこぴんしていた。
きっとこれを打つために。
返事遅くなったんだろうな。
一夫多妻って。
どうかと思うけど。
ふふふ。
結局。
岡田が根をあけぞう。
でも。
なんか岡田の言いたいこと分かるんだよね。
きっと私たち三人。
岡田にとって。
誰かを特別には出来ないのかなって。
小さい頃から。
いっつも一緒だったもんね。
まあ。
確かに女三人の中で男一人。
よく続いているとも思うよ。
唇を噛みしめつつ。
文字を打ち込む。
「ふーん。そっか。ちなみにさ。私のこと好きだったのはいつごろ?」
意地悪かと思ったけど。
聞いてみたいのが女心だよ。
岡田。
ふふ。
送信しちゃう。
岡田なら答えてくれるよね。
きっと。
『は? 中学三年の時。俺が風邪で一週間学校休んだ時、お前さ看病しにきてくれたろ?』
「え? でも、あの時は確か、私たち交替で行ってたよね?」
『これだから、女は嫌なんだよ。無意識に男の心を弄ぶ』
『確かにみんな来てくれたけど、お前だけ、おでこを合わせてきたんだよ。熱下がったかなって』
『どーせ、忘れてるんだろ?』
はい。
覚えてないよ。
岡田が言うからには。
したんだろうね私。
『そんときに、あれ? こいつ俺のこと好き? いや、俺、お前のこと好きってなったわけ』
『でも、経験上。志帆にも亜季にもあったから。違うと思うように至った』
『ていうか。なんでこんな話してんだ?』
ふふふ。
一人で、てんやわんやな感じだね。
「じゃあさ。岡田は好きな子いないの?」
『は? 今度はなんだ? そもそもお前の変な手紙のことじゃなかったか?』
「そうだけど。聞いてみたい。なんなら相談のるよ」
『今はいない』
「昔は?」
『だから、お前ら三人だよ』
あっ。
そうだった。
「ごめんね」
『いや、いいよ。それより、どうなんだ? お前の方で心当たりはないのか?』
それがね。
ないんだよ。
ん?
あっ。
そうだ。
「あのね、一色くんって覚えてる? 高一の時、私と同じクラスだったんだけど」
『一色? 覚えてないな。何部だった?』
そっか。
岡田はクラスが違ったもんね。
あれ?
何部だったっけ?
げんこつでおでこをとんとんと叩いてみた――
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