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想いの行方  作者: ぽんこつ


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9/13

目が覚めて。

ゆっくりと瞼をあける。

机に。

テーブル。

私の部屋。

カーテンの隙間から。

一筋の柔らかな光が差し込んでいる。

ちらりちらりと埃が。

その中で瞬いていた。

手を伸ばして。

枕元のスマホを手に取る。

画面をつけて。

時刻確認。

8時24分。

「ふー」

ため息一つ。

掛け布団を頭から被る。

よく寝たような。

寝てないような。

頭も冴えているような。

冴えていないような。

疲れたようにも感じるし。

なんかだるい。

「ふわぁ」

あくびが出て。

目頭を拭う。

朝は苦手な方じゃないけど。

うーん。

もぞもぞと体を丸める。

両手を股の間に挟んで。

ぬくぬくする。

とっても大切な夢を見ていた。

気がする。

どんな内容だったか。

思い出そうとしても。

笛の音と。

お姫様らしき人と。

あとは……

ぎゅっと目を閉じてみるけど。

全然ダメだ。

思い出せない。

そもそも。

覚えてる夢自体が。

あまりないように思う。

ていうか。

頭が重い。

だるい。

花粉症でもないし。

生理でもない。

週末の引っ越しは。

ちゃんと予定日をずらしたから。

風邪かな?

嫌だな……

喉乾いたな。

なんか寝汗もかいている。

ベッドから出たくないな。

小さく息を吐いて。

よし。

布団をはいで。

ゆっくりと起き上がる。

寝不足なのかな?

のそのそと足を下ろして。

両手を挙げて伸びをする。

「んー」

すとんと肩を落とす。

「はあ」

だるい。

「ふわぁ」

あくびをしながら。

立ち上がった。


顔を洗って。

歯磨きをして。

ミネラルウォーターのペットボトルを持って。

部屋に戻ってきた。

ああ……

開いたままのダンボール箱。

アルバムやらが床に散乱したまま。

テーブルの上には。

差出人不明のラブレター。

結局。

何も分からないままか……

ペットボトルを抱えて。

カーテンを開ける。

眩しさに目を細めた。

少し風があるのか。

向かいの家の庭の木が波打っていた。

外を眺めつつ。

ペットボトルに口をつける。

冷たい液体が喉を伝っていく。

気づけば。

半分ほど飲み干していた。


ピコン。

ベッドの上のスマホが鳴った。

ペットボトルをテーブルに置いて。

ベッドサイドに腰かける。

朝から誰ですか?

手に取ったスマホの画面を見つめた。

ん?

岡田だ。

『亜季から連絡もらった。例のラブレターの件。沢田じゃないな』

ん?

「確認したの本人に?」

『それとなくな、お前のこと気にはしてたけどな』

「そっか。ありがとう岡田」

『いや、いい。おまえが東京行くって伝えたら、沢田も東京の大学に行くんだって』

『だから、連絡取りたそうだった。沢田の連絡先知りたかったら教える』

ふーん。

そうなんだ。

沢田くんか……

でもな。

ラブレター気になるでしょ。

『あと他の男子、数人に当たってみたけど、該当者ゼロ。まあ、本人が俺に嘘ついてたら、知らんけど』

『何か分かったか?』

「全然。お手上げ。橋の場所も分かんないし。岡田ありがとうね色々」

『気にすんな。城が見える橋なんて腐るほどあるからな』

「一応、志帆が金華橋じゃないかって。だから明日行ってみようかなって。志帆が一緒に来てくれるし」

『まあ、一人よりかはマシだな』

頼りになるな岡田。

幼馴染み四人で唯一の男子。

あれ?

そう言えば。

岡田が好きな女の子の話。

聞いたことないな。


まさか……

ね。

「あのさ。念のためだけど、岡田じゃないよね? ラブレター?」

冗談のつもりで打ち込んだ。

あれ返事が来ないけど……

まっ。

どうせもったいぶって。

私をからかおうとしてるんだよね。

さてと。

引っ越しの準備は。

あとは衣類とか。

身の回りのものだけだから。

「だるーい」

ベッドに横たわる。

机の上の写真立てが目に入った。

幼馴染み四人で撮った。

卒業式の日の笑顔たちが。

私を見つめていた。

お読み下さりありがとうございます。

感謝しております。

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