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骨、ケツをふく

しんぐんしていました

「なんでぇ、なんでぇ、あのクソヤロー

今度夜道であったら、ブチ○してやるからな!

脳髄までつきたてたらぁぁぁぁ」


悪態をつきまくるワンはそっとしておき。



「ゴロム、俺たちの割り振りはどうする?」


「そうですね、特殊兵団側は

ワン、私、クライドさん、そしてラギルで

何とかしましょう。

ラギルには、いざという時に向こうへ伝言してもらいます」


もう一方には、ツー、スリー、ブリッツといった

クライドにも馴染みある顔がある。

力攻め班は実力的にも指揮官的にも問題ないと思われる。


それよりも

「特殊兵団班、、す、少なすぎじゃね?」


「向こうの人数を削るのも難しいですから」


「旦那ぁ、キョウとかいうクソヤローが

それこそ信用ならねーっすからこっちにパックスは

あんまし回せられねーっすよ。

自分のことは自分で何とかできるヤツ限定にしたら

こうなりまさぁ」




パックスと魔王親衛隊は二手にわかれ大人数が待つ関所と

特殊兵が待つ砦へと向かった。


クライドは特殊兵が待つ砦だ。






クライド達は砦へ到着した。


砦は比較的小さなものだ。

クライド達が到着するとほぼ同時に砦から

巨大な火球が3つ飛来し親衛隊の中央で爆発した。


火球(ファイアーボール)


あわてて物陰に隠れる一行。


「こっちの到着が完全に漏れてらぁ

むこうは準備万端ってとこですぜ」


「斥候の情報によると

魔法使い数人の部隊

長距離対応強弓の部隊

暗殺者(アサシン)部隊

強盾部隊

という構成だそうです」


強盾部隊はそこそこの人数がいるが

魔法使い、弓部隊、暗殺者(アサシン)部隊は

それほど人数が多くない。



単なる大人数で突撃していれば

強盾部隊が足止めし裏から

魔法使い、強弓部隊、暗殺者(アサシン)部隊が

リーダー格を潰すという作戦だったのだろう。


「どうしやす?」


ならば


「相手の作戦を逆手に取ろう

魔王親衛隊が強盾部隊に突撃してもらい注意を引き付ける。

その隙に俺たちが

魔法使い、弓、暗殺者(アサシン)を各個撃破しよう」



「名案です。

私が暗殺者(アサシン)部隊を引き受けます。

ワンは強弓部隊を仕留めてください。

クライドさんは、魔法使いをお願いします」


「おうよ」


「わかった。・・・あれ?俺が一番きつくね?」



「気のせいですよ」

とゴロムがニヤリと笑う。


「それからこの作戦の親衛隊への伝令はラギル、

お願いします」


「わ、わかりました」

ラギルが青い顔で答える。

なかなか厳しい戦いが予想され緊張しているのだろうか。



「それではラギルが親衛隊へ向かったら

作戦開始しましょう」


「あ?もしクソヤローがごねたら俺たち

敵のど真ん中で終わるぜ?奴らに被害も出てる。

本当に突撃するかどうか信用ならねー。

奴らが突撃し始めたらで良いんじゃねーか?」



「いや、我々が突撃して強盾部隊の気を

ひけば、勝機とみてほっといても突撃するさ。

あの手のヤツは目先の利益に弱いからね。

信用ならないが、利用はできる」



「なるほどなぁー、さすがクライドの旦那だな」



「それでは、行きましょう」


ワン、ゴロム、クライドは一斉に駆け出し

砦の裏手へまわる。

走破術を心得たこの3人にとって素早く

誰にも気づかれずに砦の裏手に回るのはお手の物だ。







「奴ら物陰に隠れて出てきませんね」


「びびって逃げる相談してるんじゃねーか?」


ドーガ家の砦を守る暗殺者(アサシン)部隊。

魔王軍が突撃してきた際に背後に回り込み

魔王軍の指揮者達を仕留める手はずとなっている。


「びびって逃げられちゃ俺たち戦えないっすね」


「そうだな、ウズウズしてんのにな、ヘヘヘ

首掻っ切ってやるぜ、なぁ」


「・・・」


「なんだ、お前もびびってんのか?」


「・・・」


「おい、寝てんのかぁ?」



「永遠の眠りについたようですよ。

暗殺者(アサシン)が闇討ちされるようではいけませんね」


「!?」


ドーガ家の暗殺者(アサシン)が声のほうへ振り返ると

既に一人を仕留めたゴロムが立っていた。


「さぁ、始めましょう」






ギャァ

グェエ

ギャーーー


ドーガ家強弓部隊。

弓使いは元来接近戦に強くは無い。

そんな弓使いの間をワンが疾風のように駆け巡る。

ワンが駆け抜けた後は弓使いが首から血しぶきをあげ倒れ

ギヒッギヒヒヒヒと下卑た笑い声だけが残る。


強弓部隊は瞬く間に恐慌状態に陥ってしまった。






「ちょ、ちょっとぉ」


ヒュン


「待って待って待って」


ゴォー


「俺だけ話違うくね?」


ヒュンヒュン


「うわ、あぶね」


ドーガ家魔法使い部隊に奇襲をかけたクライドだが

魔法で警戒していた部隊に察知され

あらゆる攻撃魔法で迎撃されている。






暗殺者(アサシン)部隊、強弓部隊、魔法使い部隊

後衛全てが敵襲により混乱に陥ったことを察知した

前衛である強盾部隊は後衛部隊を助けるべく突撃を

かけようとしていた。


強盾部隊が完全に後衛部隊のほうへ向いた瞬間。

それまで静かに潜伏していた魔王親衛隊が

怒声を上げながら強盾部隊の背後へ突撃を行う。


電光石火


まさにそのような猛烈な速さであった。

魔王により熾烈な訓練を課せられた親衛隊の実力である。


守りに長けた強盾部隊とはいえ完全な背後からの

突撃には弱い。


瞬く間に戦線が崩れていく。




乱戦


魔王親衛隊が突撃し終えると

部隊、敵味方関係なく入り乱れた乱戦となった。

しかし先行して特殊部隊をいくばくか撃破していた

魔王軍のほうがいささか有利であった。







「ハァーーー、ハァーーー終わった・・・。

しかし魔法使い部隊が打撃完全防御の魔法使ってるとか

聞いてねーゾ」


クライド、ゴロム、ワン、ラギル

そして魔王親衛隊の面々はボロボロになりながらも

勝利を収めることができ砦をどうにか突破できた。


特殊兵団であったため

単なる大人数で攻めれば全滅していたであろう。



ボロボロになりながらも一行は先を急ぐ。




「クライドの旦那ぁ、こんだけボロボロになる

くらいの戦力が割かれてたってことは関所のほうが

正解ってーことかね?」



「そうかもね。ツー達やアーシターさんが率いてる

親衛隊達はもう城攻めてるかもよ」




「おかしい、静かすぎです」

ゴロムが厳しい顔をする。



「えぇ?」

疲れ果てたクライドが適当に返答すると



「城を攻めてるにしろ、関所を攻めているにしろ

我々を待っているにしろ、どれであっても気配が

無さすぎです」



クライド、ワンが厳しい表情になる。

ラギルは青い顔をしている。



「ゴロム、斥候がいねーからよ

オレが、ちょっと城まで偵察にいってくらぁ」


ワンが攻略する予定の城へ斥候へ向かった。



「ラギル、すまないが親衛隊へちょっと

待つように伝えてくれ、あいつらもボロボロだから

休憩ならすんなり従うだろーからさ」


青い顔したラギルに伝令を頼むと

クライドはゴロムと話し始めた。


「ゴロム、どう思う?」


「わかりません、しかし・・・」


ゴロムが口を開こうとした時ワンが凄まじいスピードで

戻ってきた。


「城の周りに、仲間は誰もいねぇ。争ってる気配もねぇ。

おそらく到着してねぇ」



「ワン、最大限の警戒で関所へ偵察へ行ってくれ」


「わかった」


ワンが先ほどよりもさらに凄まじいスピードで

今度はもう一班が攻める手はずの関所へと向かった。



ゴロムもクライドも言葉なく、じりじりとした時間を

過ごしている。

ラギルは変わらず青い顔をしている。



どれくらいの時間が経過したであろうか


「やべぇ、やべぇ、旦那ぁ、ゴロムゥやべぇゾ!!」


あわてふためくワンが戻ってきた。


「もう一方の、パックス、親衛隊両方全滅だ!!」



「!!」

やはりというべきか、まさか?というべきか

なんという感情をもって受け止めれば良いか

わからない報告がワンの口からなされる。



「関所に大量のドーガ軍がいるパックス全部と

親衛隊全部であたっても絶対に勝てない兵士数差だ!

そいつらがこっちに向かってる。

やべぇゾ!!

ドーガ本体とこいつ等から挟み撃ちされたら

確実に全滅だ!!」



「ゴロム!」


ゴロムはうなずき

「撤退しましょう!」



クライド、ゴロム、ワン、ラギルが

魔王親衛隊を率いるキョウのところへ駆けつける。


「関所に向かった隊は全滅だ!

関所から敵の大隊がやってくる!

奴らと戦えば我々も全滅だ!撤退命令を!」



「なにぃーー!全滅だとぉ!キサマら!

こっちはボロボロ、むこうは全滅ぅ?

魔王軍から仕事を請け負っている風情がさらに撤退しろ

などと命令するのか?立場をわきまえろ!」



「立場とかどうでも良いんだよ!

時間が差し迫ってるんだ!はやく撤退を!」



「立場がどうでも良いだとぉ?

だから何故キサマらから命令されなければならんのだ!」


「だから!命令じゃなくって進言だ!

撤退命令を出してくれ!」



「進言だぁ?何様だぁ、スケルトン風情が!」


「時間がねぇっつてんだろ!お願いだ!

撤退命令を出してくれ。このままじゃ全滅だ。

あんたたちも全員死んじまうと言ってるんだ!」



「我々は死など恐れん!キサマらも我々に従え!

進軍だ!」



「バカタレ!このままだったら確実に全滅する

仲間たちの死を無駄にすんな!」


「さっきから誰に向かって口をきいておるのだ

スケルトンごときが!」


「このやろー、わかんねーやつだなー!!!」




理不尽なやり取りを青い顔して聞いていたラギルが突然

「やめてくださーーーーーい。

全部ワタシが悪いんです、私のせいなんです

はやく、はやく逃げてください!!!!」

と叫ぶ。


「何があったんですか?ラギル」

ゴロムがラギルの背中を撫でながら優しく問う。



「砦と関所の偵察に行く途中

ベルザと名乗るハイアンデットと会いました。

彼は、砦と関所の情報がつかめないから

親衛隊を砦と関所の二手にわけるように

進言しろ"と私に言ったのです。

言うことに従えばパックスに今後仕事を回す。

言うことを聞かなければパックスを強大な魔力で

壊滅させる。と。

彼からあふれ出る魔力からそれが脅しではないと

私は感じました。それで、私は・・・・

まさかこんなことになるとは・・・・」




「な、なにぃーーーキサマら、我々を

欺いておったのか!!!

聞けぬ、裏切者がおるような魔王軍以外の者の言うこと

など聞けぬ。

これだけの仲間を失って引くことなどできん!

そもそもキサマら我々を騙そうとしておるのではないか?

大量のドーガ兵が来るというのも怪しいわ!!」



「おい、死にてぇのか?あぁん?」

ワンが短刀を手元に構え

キョウの喉元を見つめながら凄む。



ワンの肩をつかみ後ろに押し下げる者がいる。


クライドだ。


「てめぇ、いい加減にしろや・・・

さっきからグダグダ抜かしやがって・・・

てめぇが一人でくたばるのは勝手だが

己の愚かさに他をまきこんでんじゃねぇよ・・・

それに、こっちも仲間全員失ってんだよ」


スケルトンであるクライドの眼は空洞なのだが

その眼窩に赤黒い炎が宿る。

「おい、さっさと決めろ、

てめぇ一人が今すぐここで死ぬか、撤退するか」




「う、う、、、て撤退だ」

恐怖の表情を浮かべたキョウが

小声で答える。



撤退の声が聞こえるやいなや

「てめぇら撤退の準備しろーーーーー」

ワンが魔王親衛隊に叫びながら、

撤退方向の先頭へ躍り出る。


ワンが撤退の先導を努めようというのだ。


「ゴロムゥ、旦那ぁ、ケツは頼みやすぜ!!!」


クライドとゴロムとラギルが撤退の最後尾を受け持ち

他の魔王親衛隊たちを追撃軍からの安全を図る。













シックスが魔王城への報告を終えてパックスへ戻ってきた。



あれからクライドたちと親衛隊の残り半分は無事に

魔王城へ撤退することができたのだが


親衛隊の半分が壊滅。

今回の任務は大失敗であった。


そして

普段呼ばれることのない魔王城へ

シックスが呼ばれたことから


みなシックスの処分=処刑を覚悟していた。




中には魔王と刺し違えてやるという

過激な者もいたが、そこはクライド達で抑えた。




しかしシックスは無事に戻ってくることができた。

シックスの話によると

任務は失敗であることは間違いないため報奨は無い。

しかし、お咎めもなかったそうだ。


魔王様により直々に、親衛隊の半分を

無事に帰還させたことに対してと

パックスへ甚大な被害をもたらしたことについて

己の指示の誤りを認め謝辞をもらったそうだ。






そんな中、一つ噂が流れてくる

魔王軍親衛隊の一人に嫁いだシーノが

イコンの屋敷に戻るらしい。


シーノさまかえってくるってよ

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