《雄峰王之逆鱗(マウンティガスケイル)》〜イカれた新メンバーを紹介するぜ!〜
「ピンチだ…………切実にピンチだ…………。」
カズゥの大森林から逃げ出してきたその明くる日、吾妻秀吾は一人スカイジア王国宿場町の中央区にある噴水の縁に腰掛け項垂れていた。
結局昨日の晩は、アシストスキル《万物名工》で地中に穴を掘ってそこで過ごしたのだが、一晩明けても危機的状況が解決したわけではない。
吾妻秀吾には、今日の飯を買う金すら無いのだ。
「はぁ〜〜〜っ………。 やっぱりもっと金になるスキル作るべきだったかなぁ……」
そう言いつつ吾妻秀吾は自分の手の甲を眺める。
そこには、薄っすらと鱗のような模様が浮かんでいた。
淡く輝くそれを眺めつつ、吾妻秀吾はもう一度深い溜息を吐く。
「………確かにあんなの見せられたら、防御策は重要だってのは分かるんだけどなぁ……う〜〜ん………」
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ーーーーーーーーー『新しい土地に移住するなら、安全策としてディフェンススキルは最低限必要です。』
吾妻秀吾のナビゲーター《異界読本》は、土の中で一晩明かさなければならないと覚悟を決めた吾妻秀吾にそう忠告した。
確かに、あんなドラゴンやそれを凌駕する騎士なんかが存在する様な世界で、全くの丸腰で未知の土地を彷徨くのが危険だという事くらい、吾妻秀吾も重々承知である。
「けどスキル作るったって、俺あと4ポイントしかスキルポイント残ってないんだろ?
1ポイントは存在消滅を防ぐために持ってないといけないとして、あと3ポイント全部使い切るつもりかよ?」
しかし、吾妻秀吾に残された『存在力』は残り僅か。
及び腰にならざるを得なかったのだ。
しかし、ひょんな事からその問題に光明が指す。
そのキッカケは《異界読本》が彼に放った次の言葉だった。
『現在、貴方は泥土王竜から魔力吸収魔法陣を通して回収した魔力が130000マジックポイントございます。
これを全て《万物名工》の効果で存在力に変換しますか?』
「………………はい?」
吾妻秀吾は我が耳を疑った。
「何が…………どうだって?」と、聞き間違いではないか吾妻秀吾は《異界読本》に再び尋ねる。
『条件は限定されますが、強いエネルギーや魔力を有した物質が有れば、アシストスキル《万物名工》の効果で作成出来ます。』
「え………?俺そんな話聞いた覚え無いんだけど………」
そもそもあのトラバサミトラップに、魔力を吸収する機能が付いてることも吾妻秀吾は初耳であったのだが、《異界読本》は悪びれる様子もなく言い放った。
、
『聞いてこなかったので言いませんでした。』と。
「…………………………」
『…………………………』
一瞬穴倉の中が静まり返る。
そしてーーーーーーーーーーーーーーーー
「…………だからそういう事は、はよ言えやあああああああああああああぁぁぁぁーーーーーーーっ!」
吾妻秀吾の怒号は、虚しく穴倉に響き渡った。
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と、なんだかんだで泥土王竜の魔力130000ポイントから120000ポイント消費し、吾妻秀吾は6ポイントのスキルポイントを獲得した。
更に《異界読本》は、『泥土王竜の残り魔力を軸に《樹形公式》を使用すれば低コストで強力なディフェンススキルを作成できます。』と進言してきたので、吾妻秀吾はその案に警戒しつつも乗り、新しい力ーーーーーーーー
ーーーーーーーディフェンススキル《雄峰王之逆鱗》を作成したのだ。
これの作成により吾妻秀悟の残りスキルは6になった、つまりこの《雄峰王之逆鱗》には4ポイントのスキルポイントを消費したことになる。
その効果は吾妻秀悟が確認しているだけで3つ、魔法・物理攻撃への耐性の強化、呪詛の完全無効化、あと索敵関係スキルの完全妨害効果なんていうのも付いていたのだがーーーーーーーー
このスキルこそが泥土王竜がファント・ガーフィールドやミルシィ・スターライトの強力な索敵系スキルに引っかからなかった理由だったということを、この時の吾妻秀悟は知る由もなかった。
吾妻秀吾の作成スキル
アシストスキル
《樹形公式》
《異界読本》
《万物名工》
ディフェンススキル
《異界逃避》
《雄峰王之逆鱗》




