第30話 (松本清張・疑惑を観て) 国選弁護士とは
先日、松本清張原作の推理ドラマ「疑惑」を観ました。いしだあゆみ主演のTVドラマ(1992年版の再放送)です。
本来、民事専門の担当弁護士の執念と手腕に驚いた。自分がかって冤罪にされた刑事裁判の担当弁護士との恐るべき力量差に愕然とする。こんな方を担当弁護士に付けてくれていたら…と悔しさが込み上げてくる。
ドラマの中で、
「国選弁護士って、国から貰えるお金って大してないでしょう。やっていけるの?」
「出ていく方が大きいでしょうね」
「それなのに、何故引き受けるの?」
この後の弁護士のセリフを覚えていませんが、「真実を知りたいから」とか、「他人のやりたくない事をやり遂げたい」みたいな内容だったと思います。
この弁護士は、これ迄の前例や状況証拠から有罪になりそうな裁判での冤罪を防止する為に、懸命に現場検証して、目撃者を探し、疑問点を徹底的に追及します。そうして真実を明らかにして、無罪を勝ち取ります。
対して、自分の担当弁護士ときたら、
現場検証はやらない。
「原告、目撃証人の書いたメモのような文章に疑問があれば、訂正してください」と言いながら、その検証はやらない。
原告、目撃者証言の公判の後の証言検証はしない。
原告と目撃証人の証言の食い違いは追及しない。
公判翌日、被告人が、原告および目撃証人の証言内容の間違い(偽証かも)をプリントして渡しても、「一応貰っておきます」と言って、何ら興味を示さない。
公判の最終弁論では、検察官の長ったらしい早口論告に対して、事務員に書かせたと思われる文章を小中学生並みに、詰まりながら読んでいた。
これで、真実が明かされるわけがない。殺人事件のように凶悪な事件でなくても、上記6項目ぐらいはやるべきであろう。
ドラマと現実ではこんなにまで違う。実際、国選弁護士がドラマのようにやってくれると、弁護士はみんな廃業する事になるかもしれない。
そうは言うものの、どうしても割り切れない私です。国選弁護士に依頼するぐらいなら、自分一人で闘う方がストレスが溜らなくてまだマシな気がする。




