表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ゲーム世界に転生して最強になった俺、なぜか青春だけ攻略できない  作者: 愛川 唯々
第1章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
3/25

第2話:知らないのは俺だけ

20時に更新します。


「さ、ユウマ様。席へ行きましょう!」


「……いや、お前」


「はい、なんですか?」


「誰?」


 ――俺が知っているゲームキャラが知らないキャラになっている。


 俺の言葉に神代かみしろレイナの表情が固まった。


 ……いや、知ってはいるのだ!

 キャラの性能と性格くらいは覚えている。


 でも、こんなのは知らん!


 神代レイナって、こんなキャラじゃなかっただろ。


 もっとこう、女子キャラには優しいイケメン女子ではあるが、男キャラには少しだけ辛辣なキャラだったはずだ。


 それこそ男には、

『まったく、君というやつは。 そんなんじゃ、ボクには勝てないよ?』

 とか、

『はぁ、これだからは男は嫌いなんだ』

 みたいな感じだったはずだ。


 こんな、いきなり男に抱きつく様なタイプじゃない。


 なのに。


「もう、忘れたんですか? 神代レイナですよ! 気軽にレイナ、って呼んでください! ユウマ様の体って逞しいですね! とっても雄々しいです!」


 めちゃくちゃ男である俺に媚びてくるやないかい!


 抱き着いて腹に柔らかい感触を当ててきてるし、とってつけたようなお世辞を言ってくる。


 黒峰ユウマは標準体形やぞ。


 なんなんだこれ。

 バグか?


 ……いや、ゲームが現実になった時点でバグみたいなもんだけど。


「……神代さん、離れてください」


「嫌です!」


「え、なんで!?」


「だって、ユウマ様がまた急にいなくなりそうですから。あと、レイナ、です」


「……」


 意味が分からん。


 俺、コイツとそんな仲良かったか?


 いや、そんなはずない。


 そこは断言できる。


 そもそも俺はほぼダンジョンに籠ってたし、クラスメイトと話した記憶なんてほとんどない。


 そんな“好感度”が上がるようなことなんて一切していない。


「……」


 全員、こっち見てた。


 なんかもう、見てはいけないものを見てる感じの顔してる。

 特に女子。


 ……いや、なんか違うな。


 嫉妬とかじゃない。

 もっとこう。


 気まずいというか、痛々しいものを見るような顔だ。


 なんで?


「神代さんが……」

「なんであんな黒峰に……」

「……かわいそう」

「……あんなの、洗脳だよ」


 聞きたくなくても俺の高いステータスのせいで、ひそひそ声が聞こえてしまう。


 洗脳なんて魔法このゲーム世界にないわ!

 ……ないよな?


「今日、ユウマ様の隣はいないようなのでボクが座りますよ。一緒に授業を受けましょう!」


 神代はそう言いながら、体に抱き着くのはやめてくれたが、腕に抱き着いて席へと促してきた。


 いや、離れてぇ。


 正直、振りほどくことも可能だが、女子に暴力振るうのはためらわれた。

 ……JK界隈では冤罪があるので、怖いのだ。


「……あの、神代さん。今日なんか変じゃないですか?」


「そうですか? あと、レイナです!」


「いや変だって!」


「ボクはいつも通りですよ?」


 絶対に違う。


 なんなんだ本当に、俺が何か忘れているのか?


 そんなことを考えていると。


「く、黒峰!?」


 教室の入り口から、驚いたような声が飛んできた。


 担任だった。

 名前は……なんだっけ?


 ゲームでは名前が出てなかったし、学園にも来てなかったしわからん。


 まぁいいや。


 中年で赤ジャージを着ている男。

 多分、熱血教師。


 去年の試験の時には、俺を不正扱いした側の一人だった。


「お久しぶりです」


「お、お久しぶり、ですねぇ……」


 顔が盛大に引き攣っている。


 なんか妙に低姿勢だし。

 というか、なんで敬語?


「……なんですか、その反応?」


「い、いやいやいや!? 何もない、ですよ!? 黒峰様に思うことなど何もありませんよ!」


 めちゃくちゃあるやないかい!


 なんかビビってるし、こっちにも様付けだし。

 ……いやまぁ、試験の模擬戦では俺が倒したからだろうけども。


 ただ、ダンジョンがある世界にしては軟弱じゃないか?

 熱血教師の見た目にあるまじき低姿勢だぞ?


「そ、それじゃあホームルーム始めるから、みんな席についてくださーい!」


 担任が慌てたように教壇に立つ。


 俺もその言葉で席に着く。

 神代も俺の隣にしれっと座ってきている。


 でも、腕だけは離してくれたので俺はホッとする。


 ……マジで助かった。いやマジで。


 さっきから、エロい方のドキドキと社会的に殺される恐怖のドキドキのせいで、嫌な汗が止まらなかったのだ。

 JKは男を簡単に抹殺できる存在なんだと、ちゃんと自覚して生きてほしい。


 いや本当に何だったんだ。


 すると。


 ホームルームが始まっても、クラスメイトが半分もいないことに改めて気づく。


「やっぱり人数少ないなぁ」


 教室を見回しながら、思わず口に出してしまった。


 本当に少ない。


 三十人クラスだったはずなのに、今いるのは十人くらいだ。


 ゲームでは操作しているキャラやパーティーメンバー以外は、授業をちゃんと受けている設定なのだが。


 やっぱり、ゲームが現実になるとプレイヤーが介入しなくても勝手に動くのかなぁ。


「「「……」」」


 俺の言葉で教室の空気が重くなった。


 心なしか敵意も増えた気がする。


 なんだ、なんかまずいこと言ったか?


 すると。


「……そのことについては、あとで話しますよ」


 神代が、さっきまでの媚びた声とは違う、低く沈んだ声で言った。


 その瞬間。なんとなくだが。


 俺の知らないところで、何かが起きている。いや、起きていた?


 ――そんな、嫌な予感が過った。


読んでいただきありがとうございます。


面白いと思っていただけたら、★評価やフォロー、感想などをいただけると執筆の励みになります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ