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ゲーム世界に転生して最強になった俺、なぜか青春だけ攻略できない  作者: 愛川 唯々
第2章

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19/25

第18話:俺がきた!

20時に更新します。

 夜。


 人気のない工業地帯。


 俺たちは目的地から数百メートルほど離れた建物の屋上にいた。


 目の前には巨大な倉庫。


 大型トラックも何台か停まっている。


 周囲には見張りもいた。


 そして。


 俺の追跡アイテムは、ずっとあそこを示している。


 どうやら俺の情報に問題はなかったようだ。


「……まさか、本当に君の情報が正確だったとは」


 支部長が双眼鏡を覗きながら一人ごちる。


「ええ、だから言ったでしょう?」


 俺は頷く。


 すると支部長は難しい顔になった。


 まぁ、信じられないよなぁ。


 俺だって深層のアイテムを実際に見てなかったら信じてない。


 ホント便利なんだよなぁ、アイテム。

 結構、用途は多岐にわたるし、その中でも深層のアイテムは破格だ。


 なお。


 青春には全く役に立たなってない模様。


 解せぬ。


 今のところエリクサーは便利だけど、お金がたくさん入ったジェラルミンケースでビンタしているようなもんだしな。


 その後、簡単に作戦を説明した。


 とはいえ、難しいことはない。


 俺が先に突入する。

 協会側は外にいて離れながら、ゆるーく包囲。

 俺が魔法で合図する。

 協会側は包囲を狭めながら、逃げた奴を捕まえる。


 それだけだ。


 なお。


 支部長は最後まで反対していた。


 そりゃ、高校生が犯罪組織にカチコミするなら止めるよな。


 でも、俺の方が強いしなぁ。


 ダンジョンが世界の中心だから、若くても強い奴は出てくる。

 こればっかりは、しょうがない。


 というか。

 元々は一人で来る予定だったからなぁ。


 むしろ逃げた奴を捕まえるのに、協力してくれてるだけありがたい。


 前回みたいに取り逃がしたくないし。


 正直言えば、ただそれだけをやってくれればいいのだ。


「じゃあ、合図したらお願いしますね」


 俺がそう言うと、支部長がこちらを見た。


「それで、合図とはどんな合図なのだ?」


「爆発です」


 そう説明した。


 大きめの魔法を一発。

 それを見たら追い込み漁の開始。

 逃げた奴を捕まえる。


 単純明快だ。


 支部長達は何とも言えない顔をしていた。


 なんか、こいつ力技ばかりだなって顔してる。


 俺だって毎回力技じゃないですよ?


 ……あれ。


 結構してる気がするな。


 病院では天使を出したし。


 試験では相手を全員吹っ飛ばしたし。


 最近なんか、エリクサーでごり押ししている。


「…………」


 俺って思ったより脳筋?


 いやいや。

 違う違う、今までは微妙だけど今回は違う。


 これは合理的判断だ。

 相手は犯罪者。


 今回は犯罪者を捕まえるための最適解を出したのだ。


 だから。


 逃げる前に倒す。


 完璧だな。

 …多分。

 ……きっと。

 ………おそらく。

 …………大丈夫ですよね?


 少しだけ不安になる。


 だが。


 ここまで来て帰る選択肢はない。


 俺は倉庫へ視線を向けた。


 影山。


 あいつも、あの中にいるのだろう。


「……ったく」


 思わず呟く。


 犯罪者になるなら。

 もっとそれっぽい奴がなれよ。


 なんでお前なんだ。

 不良キャラとかいただろ。


 それも嫌だけど、あっちがなるなら納得できるのに。


 ゲームでは黒峰と同じように、モブっぽかったくせに。

 そんなところで個性出すなよ。


 もっとこう。


 普通にゲーム通りモブキャラやっててくれよ。


 なんでよりにもよって、犯罪者ルートを開拓したんだよ。


 そんなことを考えながら。


 俺は屋上の縁へ立った。


 距離は500メートルないくらい。


 問題ない。


「じゃあ、行ってきます!」


 支部長から静止したような声がした。

 ……聞こえなかったことにする。


 どうせ、もう止まる気はないし。


 俺は少し強めに地面を蹴る。


 次の瞬間。


 景色が一気に流れた。


 風が頬を叩く。


 倉庫がみるみる近付いていた。


 見張りが何か叫んでいた。


 遅い。


 今回は、隠密なんてしゃらくさいことはしない。


 協会の支援?を受けている公式な作戦だからな。


 だったら。


 派手に行こう。


 俺は拳を握る。


 そして。


 倉庫の巨大な鉄扉へ向かって――思いっきり振り抜いた。


(あ、請求とかどうなるんだろう!?)


 そんなことを思ってしまいながら、扉をフッ飛ばして倉庫の中へと入った。


読んでいただきありがとうございます。


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