表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ゲーム世界に転生して最強になった俺、なぜか青春だけ攻略できない  作者: 愛川 唯々
第2章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
14/26

第13話:ゲームのキャラ、だから

毎日、20時に更新します。


 屋上。


 俺は、ずっと神代から聞いた話を考えていた。


 ――クラスメイトが死んだ。


 その言葉が、頭から離れない。


「………」


 屋上のベンチから立ち上がれそうにないくらい、体が重く感じる。


 ダンジョンで死人が出る。


 そのこと自体、この世界では珍しくもない。


 実際、ニュースでも時々やっている。


 高ランク探索者が死亡。

 パーティー壊滅。

 中層で消息不明。


 そういう話は、普通に存在していた。


 でも。


「いや、でもおかしいだろ……」


 俺は小さく呟く。


 だって。


 ()()()()()()()()()()()()()()


 もちろん、キャラロスト自体は存在した。


 ダンプロは一応、キャラロストがあるゲームだ。


 仲間にしたキャラが死ぬ。


 だが。


 それには条件があった。


「……プレイヤーとパーティー組んだ時だけ、だったはずだろ」


 そう。

 キャラロストの条件とは。


 プレイヤーが介入しているか、否かだ。


 戦闘中に見捨てる。

 瀕死のまま放置する。


 ――そんなことを“プレイヤー”がすれば、キャラロストが起きる。


 逆に言えば、プレイヤーがパーティーに誘わなければ。


 クラスメイトは勝手にダンジョン攻略をしているはずなのだ。


 堅実な攻略で。

 キャラロストなども起きずに。

 

 つまり。


 俺がパーティーに入ってないのに、クラスメイトが死ぬのはおかしいのだ。


 なのに。


 現実では死んでいる。


 俺は、死んだクラスメイトを含めてほぼ誰とも絡んでこなかった。


 パーティー勧誘なんてもってのほかだ。


 現実で、他人の命を背負いたくない。


 ――ソロにしたのはそんな気持ちがほんの少しはあった。


「……なんで?」


 意味が分からない。


 ……あれ?


 もしかして、他のプレイヤー、とか?


 その考えが、ふと頭をよぎる。


 俺以外にも、この世界へ転生した奴がいる、のか?


「……いや、こんなこと考えても意味ないか」


 考えたところで証拠なんて何もない。


 それに。

 今はそんなことより――。


 仮に、他にプレイヤーがいたとしても。


 もう死んだ奴は戻らない。


 ゲームみたいに、ロードなんてできない。

 コンティニューもない。


 生き返りアイテム?

 そんなものは、ない。


 あっても、瀕死を治す。


 そこまで、だ。


 瀕死ではなく、死んでしまってるなら。


 もうどうにもならない。


「…………」


 胸の奥が、妙に重かった。


 別にそのキャラが好きだったわけじゃない。


 転生してからも、ちゃんと喋った訳でもない。


 でも。


 ゲームのキャラが、死んだ。


 いや。


 クラスメイトが、死んだ。


 考えたくないのに、その事実だけが妙に生々しく頭に張り付いていた。


「……授業、受ける気しねぇなぁ」


 ぽつりと呟く。


 結局、その日は何もできなかった。


     ◇


 翌日。


「……はぁ」


 ベッドの上で天井を見ながら、俺はため息を吐く。


 ダンジョンへ潜る気は元からない。

 学校へ行く気にもならない。

 なんかもう、全部だるい。


 いや。


 元々だるかったけど。


 今は種類が違う。


「…………」


 死。


 ゲームだと軽かった。


 キャラロスト。


 ここまで育てたのに。

 とか。

 ロードして戻そう。


 くらいの認識だった。


 でも。


 現実で聞くと重い。


 なんか、心にいつまでも響いている。


「……ゲームじゃないんだなぁ」


 今更すぎる言葉を呟く。


 でも、本当にそうだった。


 神代の時も思った。


 現実になると、こんなにも違うのだ。


「……ん?」


 そこで、ふと考える。


 じゃあ。


 犯罪集団と関わるようになったクラスメイト。


 そいつも。


 放置したら、こっちも取り返しつかなくなるんじゃないか?


「………」


 神代の件は、上手くいった。


 まぁ、好感度問題は残ったけど。


 でも少なくとも、最悪の未来は回避できた!

 ……と、思う。


 なら。


 今度もなんとかなるかもしれない。


「……まだ犯罪してない可能性もある、しな」


 神代の話では、犯罪者と“つるんでる”って段階っぽかった。


 なら。


 まだ間に合うかもしれない。


「………」


 ベッドから身体を起こす。


 そして。


「……いやまぁ、別に正義感とかじゃないけども」


 俺は小さく呟いた。


 そんな立派な理由じゃない。


 ただ。


 また。


 ゲームキャラがおかしくなるなんて見たくない。

 勝手にいなくならないでほしい。


 俺が。


 好きだった、ゲームなのだ。


 俺のいないところで、ゲームを無視しないでくれ。


 ―――ゲームのキャラであってくれよ。


 そんな。


 自分でも最低だと思う、願い。


 それに。


(……キャラロストは、もう嫌だなぁ)


 ゲームの時ですらそうだった。


 お気に入りキャラが死ぬと普通に萎える。


 それが現実に起きてしまった。


 犯罪に巻き込まれて、また……。

 なんてことも、ないとは言えない。


 神代の件は、まだ助けられた。


 でも。

 死んだら、もうどうしようもない。


 なら。


 防げるなら防ぎたい。


「……よし」


 俺は立ち上がる。


 まずは学校だ。


 そして。


 犯罪集団と関わってるというクラスメイトについて、詳しく聞こう。


「……神代なら、知ってるかな」


 あいつ、なんだかんだ知ってそうだし。


 それに。


 ――あいつ以外ちゃんと喋ってくれなさそうだもん!


 そう思いながら、俺は制服へ袖を通した。


読んでいただきありがとうございます。


面白いと思っていただけたら、★評価やフォロー、感想などをいただけると執筆の励みになります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ