第四十五話
翌朝。
組合へ行くと、眠そうにしている生徒達、騎士といつも通りの鈴代さんが居た。
__まァ、冒険者の朝は早いからな。
俺達の姿を見ると、頭を下げる鈴代さん。
__来いッてか。
鈴代さん達の下へ行く。
「はよーございます」
「おう。どうした?」
「実は……」
俺の耳元に近づき、小声で話す鈴代さん。
鈴代さんの話によると、昨日魔物退治に行ったは良いが、勇者達は何も出来なかった、と。それで、俺達に指導してくれないか、という事らしい。
「あー。成る程な。……まァ、死ななかっただけ幸運だな」
同級生達の怪我を見、言うと、反発して来る生徒がちらほら。
「死ななかっただけ、って……! こんなの、死んだのと同じじゃない!」
そう言ったのは腕を喰われ、二の腕の一部が無い女子。
「あ?」
「こんな事になるなら、死んだ方が……、!」
「手前、巫山戯てんのか?」
小屏風を首元に添えられ、組合内に居る殆どの冒険者達に睨まれた生徒。
「死んだのと同じ? 死んだ方が? 冒険者の中には片腕が全部無くなったって、足が一本無くなったって、戦ってる奴が居る。支援している奴が居る。前線で戦えなくなった奴らは、自分たちなりに出来る事探して、今も戦ってる。そいつ等より軽度な怪我で、ンな事言うンじャねェ」
「っ! ご、ごめんなさい……」
「……分かったのなら良い。その怪我は昨日の物だな?」
戸惑いながらも頷く怪我をした者達。
「なら大丈夫か。治療室はあるか?」
受付嬢に聞くと、案内される。
「あァ、アンタ等は外に居てくれ」
騎士の者達に有無を言わせず追い出し、鍵を掛ける。
「『音魔法・無音』」
この魔法を応用し、部屋の中と外の音を遮断する。
「ルチア、念の為、結界張ってくれ」
頷き、結界を張るルチア。
「欠損は結構魔力使うから、あまりやらないンだが……。この世界の未来の為だ。一丁、やりますか」
白雪と葛葉に目配せする。
二人は頷き、一歩下がる。
「怪我してない奴も少し離れてくれ」
「な、何をするのよ……?」
離れながら言う生徒。
「治す」
一言そう言い、魔力を集める。
「雪紫は何でも出来るけれど、それにも限度があるわ。若しかしたら傷が残ってしまうかもしれない」
「それでも、治るんだったら、お願いします!」
怪我をしている者全員が強く頷く。
「……だそうよ。雪紫」
頷き、魔力を一気に集めて集中する。
膨大な量の魔力が集まり、空気が揺れる。




