第四十六話
「『治癒魔法・再生』『治癒魔法・超治癒』」
唱えると、集めていた魔力が放出、同級生達を包み込んだ。
__体の何処かを欠損している奴には『治癒魔法・再生』を。怪我だけなら『治癒魔法・超治癒』を掛ける。
欠損した腕やら足やらに魔力が集まり、徐々に再生していく。
しばらくすると、怪我をした同級生は居なくなった。
「ンじゃ、手前等は先に外行っててくれ。他の冒険者達と話しても良い。但し、喧嘩とかはしねェこと」
頷き、部屋を出て行く同級生達。
「鈴代さンは残れ。話がある」
「……へーい」
同級生達が出て行き、俺達と鈴代さんだけになった。
「傷は?」
「さっきので粗方治ってます」
「完全には治ッてねェンだな。見せろ」
服を脱ぎ、背中を見せる珠洲城さん。
背中には斜めに大きく傷があった。
「……俺達が居ない間、守ッてくれてありがとうな」
『治癒魔法・超治癒』を発動しながら礼を言う。
「い、いえ……」
照れたようで、俯く珠洲城さん。
__しッかし……。
__珠洲城さンの血も美味そうだよな。
思わず唇を舐める。
「雪紫、駄目よ」
「……わァッてるよ」
__……よし。
「終わッたぜ。違和感は無いか?」
色々動き回る珠洲城さん。
「……大丈夫です。ありがとうございます」
「おう。ンじゃ行くか」
治療室を出ると、剣呑な雰囲気が漂っていた。
近くの受付嬢に聞いてみると、同級生達が冒険者達に話を聞こうとしたら、騎士が止め、冒険者を馬鹿にした故こうなったと。
「はァ……」
「貴様等! 何をした!」
俺達を見つけるなり怒鳴る騎士。
__何の事だ?
「勇者の怪我だ! 何故治っている!」
「ンだよ、その言い方。治ッちャいけねェのか? それに、様が抜けてるぜ様が」
「俺達に逆らうのか!?」
__何でそうなンだ?
「……俺達は手前等に構ッてる暇はねェンだよ。この世界の未来の為に、勇者樣方を鍛えなきャならン」
「何だと?! 貴様等等に鍛えてもらわなくとも、俺達が鍛える! 小汚い冒険者には頼らん!」
組合内が殺気立つ。
「へェ? 対して魔物との対戦経験も無い手前等が? 対人戦闘だけじャ魔王にまで辿り着かないから、此処に来たンだろうが」
「くっ……。だ、だが、冒険者が教えられる訳無いだろう! どうせ貴様等も平民の出なのだろう?!」
__そう言うッつー事は、コイツ等は貴族の出か。
「冒険者が全員平民の出だとは思わない方が良いぜ?」
「一応、私達は倭国の貴族だしね」
「ねー」
目を皿にする騎士。
周りの冒険者達も驚いている。
「だから何だッて話しだがな」
「な、何で倭国の貴族が冒険者に……」
「何だ、知らねェのか? 倭国は別名、武の国。一人前の貴族になるには冒険者の階級をAにはしなくちャなンねェ。成人までになれなかッた者はどれだけ強かろうが頭が良かろうが出来損ないとして扱われる」
__俺達はそれを超えてSになッたがな。




