第四十話
少し間を置いて、冒険者達が集まって来る。
「すげぇなお前!」
「何がだ?」
「聖女様に祝福されてただろ! 滅多に無いんだぜ?!」
__あァ、あれか。
「そもそも、聖女様は出てくる事が少ないからな。……すまなかった。お前達を守ってやれなくて」
組合総長が頭を下げる。
「止してくれ。結果的にこうなッたンだから良いンだよ」
白雪達も頷く。
「な?」
「あぁ……。ありがとう。我々も、お前達の入国を歓迎する」
「おう。あンがとな」
差し出してきた手を掴み、握手する。
「そういや、勇者召喚の噂を聞いたンだが。本当なのか?」
それとなく、聞いてみる。
「あぁ。良く知ってるな。つい先日、召喚されたぞ。数十人の子供と、一人の大人だそうだ。今回のスタンピードに参加させるよう言われたんだが、殆どがまだ素人に毛が生えた程度の実力だったから追い返した」
「へぇ……」
『聞いたな?』
白雪達三人に念話を送る。
それぞれ返事が返ってきた。
「あ、そうだ。おすすめの宿とかあるか?」
「あぁ。ギルド管轄の良いところがある。案内しよう」
「すまねェ。助かる」
歩き出した組合総長の後を追う。
『ユキシ達は、勇者召喚を知ってどうするつもりなのだ?』
『あァ、言ッてなかッたか。俺達の友人なンだよ。その勇者達』
『……ん? そ、そうなのか?』
動揺が伝わって来る。
『と、いうことは……。ユキシ達も勇者、なのか?』
『いや、俺達は勇者じャねェよ。俺達ャ転生者だ』
『転生者?! では、神に授かった使命があるのか? そういう言い伝えがあるのだが』
『……まァな』
念話を切り、組合総長の背中を見る。
__…………。
__大きな背中。
__父上と、同じ……。
俯いていると、白雪が俺の背中を叩く。
「雪紫、しゃんとしなさい」
「……おう」
ふと、組合総長が立ち止まる。
「ここだ」
「野良犬の休憩所……?」
「野良犬は、俺達冒険者の事だそうだ。女将、居るか?」
組合総長を追うように俺達も入る。
中は既に冒険者達で賑わっていた。
奥にある厨房から女性が出て来る。
「はいはい。何でしょう、ギルマスさん」
「ここの紹介だ。こちら、この宿屋兼食堂の女将、アルマだ。女将、コイツ等はS級冒険者のユキシと……」
__そういや、白雪達の名前言ってなかったな。
「白雪です」
「葛葉です!」
「ルチア、です……」
「ユキシ君にシラユキちゃんにクズハちゃんにルチアちゃんね。よろしく」
皆で一礼する。
「俺はギルドに戻る。じゃあな」
「あァ。ありがとうな」
組合総長が去って行く。
「じゃあ、こっちに来て名前を書いてもらおうかしら」
「あァ。代表者だけで良いのか?」
「えぇ」




