第三十八話
__白雪の方は……。
白雪の方を見ると、キマイラに攻撃させる隙も与えず、小間切りにしていた。
葛葉の方を見ると、マンティコアは余程強い幻覚を見せられているのか、地に落ち、もがき苦しんでいる。
『お前等、えげつねェな』
『『いや、雪紫には負ける』』
『えッ……』
__そうかァ?
『ユキシ、そろそろこっちも終わるぞ』
『ッと、了解』
走って戻る。
神官達が結界を張り、ルチアが息吹で、冒険者達が魔法や遠距離武器で魔物を減らしていた。
俺達は魔物の後方から無双する。
地上を埋め尽くす程居た魔物が減り、遂に魔物がヴァルル周辺から居なくなった。
「ふう……。何とかなったな」
「そうね」
「久し振りにこんなに動いたね」
ふと、ヴァルルの外壁の上から声が掛かる。
「あ?」
「この結界、張ったら1日は消えないんだ! 悪いが、上から廻って来てくれえ!」
__ふむ。
俺達は『嵐魔法・風飛』を使って迂回する。
途中ルチアを回収──人の姿になってもらった──して、結界内に入る。
着地し、前を見据える。
「ンで? その手に持ってるモンは何だ?」
俺達に向かって槍やら杖やら弓やら、兎に角武器を向けている神官達。
「貴様等、魔族だな?!」
「は?」
__何言ッてンだコイツ等。
神官達の奥で組合総長や冒険者達が偉そうな神官に抗議しているのが見える。
「俺達ァ普通の人間だぜ?」
「嘘を吐くな! 貴様等は人間を超えている! 人間を超えている人型の生物は、魔族しかありえん!」
「はァ?」
睨むと、後退りする神官達。
「じャあ、S階級以上の冒険者は全員魔族ッつー事になンのか? あ?」
「そ、それは……っ」
「言い切れねェンなら、俺達が魔族であることの証明にはならねェなァ? 下らねェ事言ッてねェでさッさと退け」
下がろうとした神官を、偉そうな神官が止める。
「下がらんで良い。そやつ等は魔族だ。捕縛せよ」
「待て! 証拠が無いだろう! 幾ら教会の者とはいえ、それは許されないぞ!」
組合総長が止める。
「証拠? 証拠ならばあるぞ。龍が変化した女だ。魔物を人の姿にする術は、人間には使えない。そら、証拠だ」
__コイツ、神龍を知らねェのか?
「古い書物には神龍なるものが居たそうだが、今は居らん」
__知ッては居るンだな。
「それこそ、証拠はあるンだろうなァ? 神龍は居ないッつー証拠」
「神龍は全滅した」
「だから、その証拠を出せッつッてンだよ」
睨み合う。




