第三十七話
「ンじャま、最初は派手に行きますかねッと!」
__『雷魔法・雷壁』
触れればいとも簡単に焼け焦げてしまう程の威力がある雷の壁。
それを横に長く、雪紫の横を通り抜けようとした魔物達の前へ瞬時に発動。
一番前の魔物に電流が走り、その場でもがく。そしてその魔物に突っ込んだ魔物も感電。
理性を無くしている魔物達は次々と感電して行く。
__『雷魔法・雷弾』
其処に、追い打ちを掛ける様に上空に発動した雷弾を魔物の塊へ無数に落とす。
__『雷魔法・雷砲』
更に、突き出した掌の前に出現した圧縮した雷の塊から、雷のレーザー砲が放たれた。
焼け焦げた魔物達を薙ぎ払う様にしてレーザー砲を放つ雪紫。
魔物は跡形も無く消滅し、大幅に数を減らした。
「上出来、だな」
__ン?
遠くから、何か大きなモノが複数迫って来るのを発見する。
「おいおい。ありャ何だ?」
『ゆ、雪紫! あれ、バジリスクとか、キマイラとか、何か凄いの居るよ!』
葛葉が焦って念話を飛ばして来た。
『はァ? 厄介な奴等ばッかりだなァおい』
バジリスクはその息の臭いを嗅いだだけで生物が死に、息に含まれた毒は石を砕く、と言われている。
キマイラは山羊の体で、頭は山羊とライオンの双頭、尾は蛇。口から炎を吐くとされる。
『どうする? 私は、此処は他の冒険者達に任せてあっちに行った方が良いと思うけど』
『そうだな。どうせこっちに向かッて来てるンだし、此処で乱戦になるよかマシだな』
『じゃ、決まりだね!』
一斉に魔物達の間を潜り抜け、その先に居る大物を狙う俺達。
少し走れば、俺にも大物の姿形が見える様に成った。
『バジリスクにキマイラ、マンティコアも居ンなァ。バジリスクは自然発生としても、キマイラとマンティコアは人工生命体だろ。明らかに人為的なものだな。この大暴走は』
『だね~。で、誰がどれ殺る?』
一瞬考え、それを言う。
『白雪、キマイラ行け。火ィ吹くから気を付けろよ』
『了解』
白雪がキマイラに向かう。
『葛葉、マンティコア行け。幻覚見せて来ッから、少しなら対抗して良い。但し、』
『バレない様に、だね! 了解!』
葛葉がマンティコアに向かう。
__俺は、バジリスク。
__バジリスクは、目が合うと石にされたり、臭い嗅いだだけで死ぬし、毒は強力。
__この中で、一番やりにくい相手だからな。
__ま、近づかなきャ良い話だ。
__それか、毒を浄化しながら戦う、とか。
__俺は面倒臭いから、そんな事しないけどな。
「『炎魔法・炎円』」
さっきの魔族のとは比べ物にならない程に高く、厚い炎の壁。
俺は『嵐魔法・風飛』で上空に移動し、もがくバジリスクを見ながら『炎魔法・炎弾』を無数に打ち込む。
とんでもない熱量になり、地面は解け始め、空気中温度が爆発的に上昇し、その空気を吸っただけで肺が焼ける。
そうして、バジリスクを外からも、中からも焼き尽くす。
バジリスクが息絶えるのに、そう時間は掛からなかった。




