第三十三話
近づくと、ルチアが気づき、結界を解く。
「戻ッた」
ルチアが結界を張り直すのを見て、さっきの会話を伝える。
「そう……。分かったわ。雪紫が決めたのだし、私達に断る理由は無いしね」
「じゃあ、この子達とはもうお別れだね」
「! そう、だな。今までありがとう!」
口々に礼を言う子供達。
「おう。俺はコイツ等を届けて来る。白雪達はどうする?」
「私達はルチアちゃんと此処に残るわ。魔物が見えたら、念話で伝えるわね」
「頼む。ンじゃ、行くぞ。掴まれ。俺から手を離すなよ?」
頷き、俺の手や足を掴む子供達。
『時空魔法・転移』で空中に転移し、そこから『嵐魔法・風飛』で門兵の前に着地する。
「連れて来たぜ」
「あぁ。ありがとう。案内するから、着いて来てくれ」
着いて行くと、大きな闘技場に入って行く門兵。
続いて入って行くと、中には大勢の住民が居た。
「フレディ?!」
女性が駆けて来る。
「伯母さん?!」
「無事だったのね! サチも……」
愛おしそうに子供達の頭を撫でる女性。
「知り合いなンだな? ……ンじゃ、元気でやれよ」
「「「「「ありがとう!」」」」」
「……おう」
「ありがとうございました!」
一礼し、闘技場を出る。
「次はギルドに行くぞ。ギルドマスターが呼んでいる」
「おう。案内頼む」
大通りを少し歩いた所にそれはあった。
「流石本部。でッけェ」
「俺はここまでだ」
「おう。あンがとな」
組合に入る。
瞬間、空を切る音が聞こえた。振り下ろされるそれを避け、それを放った者の首筋に小屏風を添える。
組合内に居る者達から拍手を貰う。
「合格か? 組合総長さンよォ」
「あぁ。合格だ。流石Sクラスだな」
そう言って受付嬢と思われる女性達の方へ行く組合総長。
「今のを見て分かったと思うが、強い味方が出来た。紹介しよう。Sクラス冒険者のユキシ・アカザだ」
目配せをしてくる組合総長。
「あー。紹介された通り、雪紫だ。今は偵察中で不在だが、俺の他に二人S階級の冒険者が居る。ま、よろしく頼む」
拍手をし、再び組合総長の方を見る冒険者達。
「このヴァルルを守る為に、共に戦おうぞ!」
雄叫びを上げる冒険者達。
『雪紫、土煙が見えて来た』
『了解』
組合総長の下へ行く。
「どうした?」
「土煙が見えて来たらしい。そろそろ本格的に準備をした方が良いな」
組合内に緊張が走る。
「了解した。……聞いた通りだ。遠距離攻撃が出来る者は城壁の上に待機! 召喚獣を扱える者は櫓にて待機! 中でも近距離攻撃が出来る者は臨機応変に頼む! 魔法を使えない者は己の武器に合った陣形を取ること! そして、パーティーを組んでいる者はいつも通りの連携をすること! 回復魔法が使える者はその後ろで待機! 必要に応じて回復をしてくれ。Dランク以下の者はサポートに専念してくれ! では、健闘を祈る!」
再び雄叫びを上げ、組合を出て行く冒険者達。




