第二十七話
火が燃え尽き、丁度日が明け始めた頃。
俺達は出発していた。
__あれからは騒がしかッたな。
__俺が火を見過ぎてピロフィリアの症状が出て、触ろうとしたりピロフィリアを発動しようとしたり。
__それを二人が止めたり。
__まァそれは扨於き、今は森を駆け抜けている。
__随分遅れちまッたからな。全速力だ。
俺達は木の上を飛んで行ったり、太い枝を一瞬で見極めてそこに乗り移って行ったりして兎に角走った。
そして、三日かけて森を抜けた。
「やっと抜けたわね」
「だね」
「ここからは暫く草原が続く。走るぞ」
二人が頷いたのを見てから走り始める。
__街道は通りたくないな。
__人目にはあまり付きたくない。
__魔物が居るが、全速力で走れるからな。
草原を走る。
__…………。
辺りを見渡す。
「どうしたの?」
「……魔物が全く居ないのはありえないわ」
「え? それって……」
__!
「止まれ」
全速力からの急停止をし、辺りを注意深く見渡す。
「……魔力を全く感じないな」
「魔力を全く感じない、魔物が全く居ない。……これって、」
「まさか、大暴走?!」
__厄介な時に来ちまッたな。
大暴走。
それは空気中に漂っている魔力が何かしらの原因で一カ所に集まり、魔物が急成長、凶暴化する。
そして膨大な魔力に中てられた魔物達は人を目当てに街を襲う。
「雪紫、どうする?」
「私は離れた方が良いと思うけれど」
__…………。
「可能性の話だが」
二人は黙って聞く。
「この大暴走を予知し、それに対抗しうる戦力の確保も兼ねて勇者召喚を行うとしたら」
二人が目を見開く。
「そんな……」
「召喚したばかりの子供達を、大暴走の戦力として……? 生き残れる筈が無いわ。殆どは素人に毛が生えた程度の腕なのに……」
少し考えた後、頷き、俺の目をしっかりと見て言う。
「加勢しましょう」「加勢しよう!」
「おう」
口角が上がる。
「ンじゃ、街を目指すぞ」
「魔力溜まりは?」
「もう見つけた」
「流石!」
『嵐魔法・風飛』を使って街を目指す。
途中、魔力溜まりの上空を通った。
「酷い……」
そう葛葉が零す程、森やその近くにあった村は悲惨な事になっていた。
ふと、何かが聞こえた。
「……何?」
葛葉が呟く。
また聞こえた。
「声、だな。赤子と子供の」
「行く?」
白雪が聞いて来る。
「あ、あそこに居るよ!」
葛葉が指差した方を見ると、確かに子供と子供が抱えた赤子が泣いていた。




