第二十四話
「『ヴァンパイアフィリア・血液操作』」
「ひっ……?! な、何だコレ!?」
__自分の血がひとりでに浮かんだのを見たからか、血が足りなくてなのかは知らねェが、顔を真ッ青にするリオネル。
__……否、元暗殺者。
__元、が付くのは、コイツ程度の暗殺者だッたら普通にやッていけるのにも関わらず、野盗なンかを率いているからだ。
__ま、暗殺者ッつー職業は大体、貧困民が行き着く職業だからな。
__依頼主の奪い合いに破れたかなんかしたンだろ。
「頭が殺られたッつーのに、一人も出てきやしねェ。余程仲間意識が薄いンだなァ? えェ? 元暗殺者」
「ッ……」
辺りの茂みから殺気が漏れ出る。
__そうでもねェみてェだな。
「な、なぜ、わかった……?」
「あァ? ンなもン、気配に決まッてンだろ」
__さて。
「時間稼ぎは終わッたか?」
「ッ?!」
一瞬の動揺。
しかし、すぐに手を挙げ、振り下げる。
周囲の茂みから魔法が放たれる。
「すッげぇ密度だなァおい」
元暗殺者の方を見ると、数人の野盗が『火魔法・火盾』を発動し、元暗殺者を守っていた。
「塵も積もれば山となるッてか」
「言ってる場合じゃないよ! こんなに魔法を撃たれちゃ、魔力が乱れて魔法どころじゃない!」
慌てる葛葉。
「葛葉はアレだな。まだ経験が足らねェな」
「な、何の経験?」
「これよ、葛葉ちゃん」
白雪が声をかけ、答えを指差す。
「あ!」
直後、無数の魔法が俺達を直撃した。
「や、やりやしたね! お頭!」
「…………」
黙り込む元暗殺者。
「お頭?」
「……さっきの、血が浮いたやつ。あれはユキシの技、だと思う。もし、シラユキね、……シラユキとクズハにも技があるとすれば、あの程度の弾幕、防ぎきれる様な……。そんな、予感がするんだ」
「ま、まさか……。それに、血を浮かす魔法なんて……」
元暗殺者が首を振る。
「魔法じゃない。あの時、魔力の流れを感じなかった。あれは、似た様な、でも、全くの別物の様な、違う力……」
何かに気づく元暗殺者。
「……やっぱり、まだ生きてる! 魔力とは違う力が、まだある!」
「お頭、何を……」
「何だ、これは……! どんどん、大きくなって……形が、出来て行く……?」
目に見えて怯え始める元暗殺者。
「お、お頭!」
「な、なんだあれ?!」
野盗の一人が何かを指差し叫ぶ。
全員がソレを見る。




