第二十二話
「そろそろベスタルに向かうぞ」
昼餉を食べ、一息つき終えたところで言う。
各々が返事をし、出発の準備をした。
「着いて来い」
俺を先頭に、リオネル、葛葉、白雪の順で森の中を駆け抜ける。
途中遭遇した魔物はリオネルに任せる。
因みに、剣が折れないようにする技術を教えるまでは、俺が持っていた剣を使わせている。
日が暮れ始めた頃、森の中に開けた場所を見つけた。
「……此処で夜を明かそう。今日は技術を教える」
「おう!」
嬉しそうにするリオネルの頭を撫で、手招きする白雪の元へ歩く。
「何だ?」
「これ」
差し出して来たのは赤い液体が入った小瓶。
「一日に一回上げるから、血晶にするなり飲むなりして」
「……すまねェな」
「良いのよ。私達も、雪紫の役に立ちたいから」
「十分役に立ッてるよ」
小瓶の蓋を開けて逆さにする。
『血液操作』で浮かせ、『凝縮』で血晶にする。そしてそれらを操り、巾着に入れる。
血晶を一つ取り、口に含む。
__やッぱ美味ェな。
「……教えてくる」
「えぇ。あまり無理させないようにね」
「それは分からねェな」
にやりと笑ってから葛葉と話すリオネルを呼ぶ。
「やるのか?」
「おう。まァ座れ」
座り、説明を始める。
「先ず言ッときてェのが、魔力は回復するが、使い切ッちまうと命に関わるッつーことと、魔力保有量には個人差があるッつーことだ」
「え、そうなのか?」
__……それすら知らねェのか。
__一般常識だぞ。
「……まァ、良い。そういうものだと覚えておけ」
「分かった」
しっかりと頷いたのを見てから説明を再開する。
「本題に入るぜ? 武器が破壊されないようにする技術は、魔力を使う。だから、先ずは魔力を感じられるようにならなきャいけねェ」
「魔力を、感じる……?」
首を傾げるリオネル。
「自力だと、いつ出来るか分からねェからな。俺が手伝ッてやるよ」
リオネルの肩に手を置く。そして、魔力を少しずつ流して行く。
__暴走しない程度に、ンでもッて魔力を感じられる程度に調整。
「今、魔力を流してる。この流れを掴め。ンで、掌から放出しろ」
「…………」
リオネルが集中する。
ふと、掌を突き出した。
__もう掴んだのか。
__予想より早いな。
魔力を感じると、リオネルの掌から魔力が放出されているのが分かる。
「倦怠感はあるか?」
「……いや、無い」
__へェ……。
「なら、その魔力を凝縮してみろ。押し固めるイメージだ」
更に集中するリオネル。
__コイツ、才能あるな。
__もう半分くらい凝縮されて可視化してやがる。
__凄ェな。




