第十六話
「いつまで抱きついてンだ」
また叩く。
「いでっ!」
頭を抑えて後退るチユキ。
「ッたく……。俺達はもう行かなきャなンねェンだが?」
「何故じゃ?! ずっと此処に居れば良いじゃろう!」
「そうも行かねェンだよ」
__頼まれて、それを承諾したからな。
「妾は、駄目なのか……?」
身長差的に上目遣いになるチユキ。
「駄目だ。……でも、そうだな」
チユキの前に膝を着く。
そして、チユキの首に掛けられた首飾りを手に取った。
「この首飾りには俺の魔力が込められてンだ。その魔力を追ッて来るンだッたら、良いぜ」
「じゃあ、師匠達が行ったらすぐ……」
「それじャ、面白くねェだろ。お前今十歳だッたよな? ンじャ、十五になるか、コマチさンに旅をして良い許可を貰ッたら良い」
__五年もここでやること無ェだろうし、な。
「本当か?! そのコマチとやらは?」
「其処に居ンだろ」
俺の目線を追って、コマチさンを見るチユキ。
「穏やかな顔してるが、結構強いぞ」
「……分かった。すぐに追いつくからの!」
「期待せずに待ッてる」
「き、期待位してくれても良いじゃろう……」
肩を落とすチユキ。
「兎に角、俺達はもう行く。コマチさン、チユキの監視頼んだ」
「分かったわ。気をつけてね」
「むぅ……。いつでも戻って来て良いのじゃぞ!」
「はいはい」
斜め後ろ上空に飛び、風飛を発動。
「じャあな」
「また会えたら会いましょう」
「ばいば~い!」
そうして俺達は倭国を旅立った。
「これからどうするの?」
「取り敢えずは、情報収集だな。適当な大陸に行くぞ」
「「了解」」
__やッと、開始地点に立てた。
__一週間分、取り戻さないとな。




