第十一話
「……ふぅ」
__やはり、堅苦しいのは苦手だ。
「お疲れみたいね」
「お疲れ~」
白雪と葛葉が寄って来る。
「まァな。そっちもお疲れ」
「……やっと、ね」
「そうだね……」
「……だな」
__やッと、スタートラインに着いた。
三人で沁み沁みと空を見上げる。
__この十年間、コマチさンを師として、魔法を中心に鍛錬してきた。
__コマチさンは倭国で十本の指に入る程の猛者だッた。
__だッたッていうのは、俺達三人が入ッた事で降格したから。
__それはさておき、俺の順位は二位、白雪は三位、葛葉は四位だ。
__一位はあまり御目には掛かれない程高貴な方らしく、勝負は出来なかッた。
__ま、一位になる事が目的じャねェからな。
__それと勿論、吸血姫や九尾の制御も完璧だ。
「あ、居た居た」
コマチさんが屋内から出て来る。
「お母さん。どうしたの?」
「実はね、この倭国の王族が来るらしいのよ」
__王族が?
「え、何で?」
葛葉が聞く。
「それ聞く前に皆準備に行っちゃって聞けなかったのよね。でも、決闘をするんだって」
「「「決闘?」」」
「えぇ。だから、失礼の無いように!」
俺達が頷いたのを見ると、忙しそうに駆けて行った。
「誰と決闘するんだろう……」
「さァな」
「もしかして、雪紫とだったりして」
「無いだろ」
白雪の茶化しをばっさりと否定する。
が、その通りになった。
「お主が、ユキシ・アカザじゃな?」
籠に乗った王族が顔を見せずに聞く。
「はい。そうです」
「ふむ……。妾が、この倭国で一番の戦士じゃ。そして、この国の王女でもある」
そう言いながら籠から出て来る王女様。
「早速だが、決闘をしよう。勿論魔法有りの手加減無し。相手が降参と言うまでか、審判が戦闘不能と判断した場合のみ試合終了じゃ」
「王女様の御心の侭に」
そう言えば、満足そうに決闘場へ歩いて行く王女様。
家臣の者に着いて行けと促され、其の後を着いて行く。
決闘場は即席の土魔法の応用で土を取り上げて固めたものだ。
__まァ、魔法有りだから直ぐ壊れちまうと思うがな。
王女様と俺が決闘場に入ると、家臣の者達が四隅に結界石を置き、結界を張った。
結界石というのは、その名の通り結界を張る為の魔法具。
魔法具というのは、魔法の力が込められた道具だ。
刀を構える王女様と向かい合い、小屏風を構える。
決闘の準備は整った。




