第三話
白雪が頷いたのを確認し、暗殺者を血液の弾丸で襲う。
「何っ?!」
驚き、振り返った暗殺者を尻目に、大通りへと駆け出す。
「待てっ!」
小刀を投げてくる。
その内の一振りが背中に刺さった。
反動で体が揺れるが、前を走る白雪にはバレていないようだ。
小刀を背中から抜き、暗殺者に投げる。
大通りに出ると、先程よりも人が少ない。
「……まずいな。とりあえずおれのいえに、……っ!」
白雪の背中を押しながら振り向く。
振り向いた先では、暗殺者が不敵に笑っていた。
「ぁ……、あ……! いやあああああああああッッッ!!」
下から白雪の叫び声が聞こえる。
なんだなんだと野次馬が集まる気配がする。
気配は徐々に悲鳴を発し、更に野次馬を呼ぶ。
__何故か。
__俺が、串刺しにされたからだ。
悲鳴が聞こえる中、俺はこれが魔法なのかと驚いていた。
__っと、暗殺者を始末しねェとな。
__幸い、この世界はやられたらやりかえすのが主流だ。
__暗殺者は俺が動けないと高を括り、ゆっくりと白雪を狙っていた。
__そして、俺の下の地面には大きな血溜まりがある。
俺の口は血を噴きながら弧を描いた。
__能力発動。
__『ヴァンパイアフィリア・血液操作』
__『奥義・血晶龍』
魔方陣が展開され、俺の血から龍が造られる。
野次馬は逃げ惑い、暗殺者は唖然と龍を見上げた。
血晶龍は俺の意図を汲み、暗殺者に向け咆哮を放った。
すぐに俺を貫いていたものが消え、地面に叩き付けられる。
「ゆきしッ!」
白雪が駆け寄ってくた。
そして俺の腹に手ぬぐいを当て、血を止めようとしている。
騒ぎを聞きつけてアカザ家から数人が出て来た。
「シラユキ……?」
出て来た中にはコマチさんの姿もあった。
「おかあさん! ゆきしが! ゆきしがぁ!」
「!? ユキシ君?!」
コマチさんも駆け寄ってくる。
「酷い……。ユキシ君、もう少し頑張って! シラユキ、少し手を」
「で、でも……!」
__今迄に無く混乱しているな。
「しらゆき。だいじょうぶ、だから」
そう言いながらシラユキの頬を撫でる。
「! う、うん……」
俺の腹から手を離す白雪。
「……手、握っててあげて」
コマチさんの言う通りに俺の手を握る白雪。
「【治癒魔法・超治癒】」
そうコマチさんが唱えると、卯の花色の魔方陣が展開され、俺の体が発光した。
__これが、魔法か……。
__心地良い、な。
__痛みが和らいでいく。




