第二十二話
「お、嬢ッ!」
「五月蝿い五月蝿い五月蝿いッ!」
更に鈴代先生を黒板に押し込める珠洲城花梨。
__これ以上は鈴代先生の背骨が折れてしまう。
__この能力を見極めなければ……。
「莱君!」
神威さんが近づいてくる。
「……もしかして、あれの正体が分かったの?」
「うん。あの能力は、式を操ってる」
「式って……、式紙とかの式?」
頷く神威さん。
「なるほどね。ありがとう」
「今の私じゃ、あの式を消滅させることはできない……。ごめん」
「大丈夫だよ。式だと分かったから、対処はできる」
首を傾げる神威さん。
「……白雪、聞いたね」
「はい。お願いします」
「任された」
小屏風を構え直し、目を瞑る。
そして、式の気配を掴み、殺気をぶち当てる。
すると、実体化していく式。
それ目掛けて攻撃を仕掛ける。
__皆の目線を僕に集めるように。
__派手に、大きく、素早く。でも皆に見える速度で。
「能力発動『スペクトロフィリア・霊体操作』」
白雪が小声でそう唱えた瞬間、式の動きが止まる。
白雪の能力はあらゆる霊体を操る。
その気になれば、神の類いだって操る事ができる。
式も霊体故、操る事ができる。
「『消滅しなさい』」
そう白雪が呟くと、式が消滅した。
「な、なんで……!?」
もう一度式を出そうとする珠洲城花梨の首に小屏風を添える。
静まり返る教室内。
「……とりあえず、今すぐ理事長室来てね」
__!
教室の入り口には、いつから居たのか理事長が居た。
「分かりました」
そう言いながら小屏風をキーホルダーに戻す。
「君達は自習でもしていると良い。鈴代先生、立てますか?」
理事長が鈴代先生に手を貸す。
「す、すみません」
「いえいえ。じゃあ行こうか」
廊下に集まっていた野次馬達が道をあける。
「君達は何をしているのかな? もう授業は始まっている筈だけど」
理事長が言うと、早足で教室に向かう生徒達。
理事長室に行くと、平手打ちが飛んで来た。
それを避けるのは容易だが、避けない。
頬がジリジリと痛む。
同じように白雪も叩かれる。
「……何故叩かれたか、分からない君達ではないだろう」
「「はい。生徒達を護衛する身でありながら、生徒達を危険な目に合わせ、それだけでなく、 俺/私 達の力の片鱗とはいえ、力を見せてしまいました」」
白雪と声を揃えてそう言う。
「そうだね。……まぁ、実を言うとあまり怒っていないんだ。あれが最善だった。私もそう思う」
「なら何故叩いたりなど……!」
珠洲城花梨が総大将に吠える。
「お嬢!」
「順一は黙ってて!」




