第二十一話
「お嬢?!」
武器を取り出す珠洲城花梨。
「銃!?」
生徒が悲鳴を上げる。
「やめろッ!!」
鈴代先生が叫ぶ。
「『珠洲城順一、動くな』!」
「くっ……!」
動きを止める、否、止められた鈴代先生。
__能力まで使うとは……。
「……白雪に、武器を向けるの?」
「貴方はその女に誑かされているのです! 今、私が解放してあげる!」
発砲する珠洲城花梨。
悲鳴が上がる。
しかし、鮮血が飛ぶ事は無かった。
「貴方、少しやり過ぎなんじゃない?」
葛葉が、鉄扇で銃弾を防いだからだ。
「アンタ誰よ! 雪紫の何?!」
「従妹よ」
「従妹? 雪紫に従妹は居ないわ! 嘘吐かないで!」
__…………。
「貴方……!」
白雪が一歩踏み出す。
「何よ! この泥棒女!」
「雪紫の事、何も知らない癖して、許嫁ぶってんじゃないわよッ!」
__……ッ!
「白雪、良いよ」
「駄目!」
僕の制止を振り切って前へ進み出る白雪。
「知らない、ですって……? じゃあアンタは雪紫の何を知ってるのよ!」
「知ってるわ。少なくともアンタよりはね」
「じゃあ言って見なさいよ!」
白雪を挑発する珠洲城花梨。
「嫌よ。雪紫が悲しむわ」
「あら、逃げるの?」
白雪を見下す珠洲城花梨。
「じゃあ貴方は、雪紫が悲しんでまで私が相手をする価値が自分にあると思っているの? 自惚れないで頂戴」
「なっ!?」
引き金を引く珠洲城花梨。
その銃弾は白雪に届く事は無かった。
「僕が……、白雪に武器を向けられて黙って見ているとでも?」
小屏風を実体化させ、銃弾を斬ったから。
「何故邪魔をなさるの! 私はただ……!」
「僕の気が変わらないうちに、消えて」
珠洲城花梨の言葉を遮って言う。
「何故です!? 私はこんなにも愛しているのに!」
「家族関係さえ知らない人に愛していると言われても、ねぇ」
「え……? ど、どういうこと……? 三人家族なんじゃ……」
__まだ分かってないのか。
「僕の家族は全員で四人だよ。まぁ、死んだ両親と叔母、もう一人の従妹をを抜いて、だけど」
「嘘……。嘘よ! だって、貴方が家族は三人だって……!」
「そんなこと言った覚えは無いよ」
__これは本当。
「お嬢」
「五月蝿いッ!!」
珠洲城花梨が腕を振れば、鈴代先生が黒板に叩き付けられる。
生徒達から悲鳴が上がる。




