第十八話
「鉄扇術は帰ッてから教える。とりあえず持ッとけ」
「うん。ありがと」
「あァ」
珠洲城さんは掛け時計で時間を確かめる。
「若大将、今日のHRで知らせるのですが、今日から武闘祭の準備が始まります。参加するかどうかは任せる、と理事長が言って居りました」
__総大将が……。
「俺はどっちでも良い。白雪、葛葉、お前等が決めろ」
「……その前に、武闘祭の説明をした方が良いわね」
__あァ、そうか。葛葉は知らなかッたな。
「武闘祭ッつーのは、学生が集まッて武術を披露すンだ。それは一人での演舞もあるし、一対一のガチ勝負もある。あとは集団戦もあるな」
「最後にはエキシビションもあるわよ」
「へぇ……。…………。強い奴、居るの?」
その問いに、俺と白雪は口角を上げる。
「居るぞ」「居るわよ」
「! やる! 強くなりたい、から……」
__!
「……そうか。ンじゃ、俺達も出るか」
「そうね」
「い、良いの?」
葛葉が俺達に問う。
__今更だな。
「……若大将、そろそろ」
「そうだな。葛葉は珠洲城さんに着いて行け。俺達は先に行ッてる」
「分かった」
__演技開始。
扉を開け、「また後で」と鈴代先生に言い、朝倉さんに挨拶をしてから相談室を出た。
そして教室へと足を運ぶ。
「おはよう」
「おはようございます」
そう言いながら教室に入る。
少し緊張気味に挨拶を返してくるクラスメイト達。
__なんで緊張してるの?
首を傾げながらも自分の席に着く。
「ね、ねぇ、莱君」
黒髪紅眼の女子が話しかけてきた。
「どうしたの? 風間さん」
「え、私の名前……」
ジッと見つめると、我に返って質問をしてくる風間さん。
「一緒に居た女の子は誰かって?」
「うん。小清水さんに負けず劣らずの美人さんだったし、どういう関係か気になっちゃって」
「従兄妹だよ」
そう言えば、どこか納得したような顔をする風間さん。
「納得。仲良かったし、美人だったし」
風間さんの後ろに居た黒髪金眼の女子が話に入ってくる。
__この女子は確か……神威さん。
「なんでその理由で納得したの……?」
「え、だって莱君も美人だし」
「雰囲気も似てた。ただ者じゃないってオーラ出てた」
__!
__オーラが、感じられるのかな? それとも、視えるのかな?
__どちらにせよ、神威さんには気をつけないと。
「オーラなんて無いよ。オーラってあれでしょ? 強者から発せられる気。僕は強者でも何でもないから」
__大体が能力者や先祖返りから発せられる気。
__それを感じられる、視えると言う事は……。
__同じ能力者、若しくは先祖返りか……、
__それ以外の特別な人間。
「というか、神威さんってオーラが視えるの?」
そう聞くと、顔を歪める神威さん。
「あ……。……うん」
__驚いた。
__まさか頷くとは。
「ちょっと光!」
「大丈夫。莱君なら、大丈夫な気がする」
__勘も鋭いようだね。
__でも、
「あまり、そう言う事は言わない方が良いよ。信用してくれたことは嬉しいけど、此処は公共施設で、人が居る。いつ何処で誰が聞いているかも分からない状況だ。それと、信用したからといって、警戒心を捨てちゃ駄目。警戒心はいつでも、どんな状況だろうと持ってないと。今回は僕も悪かった。踏み込んじゃってごめんね」
__神の御霊の一部を持つ者、ねぇ……。
「……うん。こちらこそごめん。気をつける」
そこで、チャイムが鳴る。
「あ、予鈴だね。そろそろ席に戻った方が良い」
「そ、そうだね」
「うん。戻る」
「また後で」と言い、自分の席に戻る二人。




