第十二話
爺様の後ろでちらちらと庭内を見ている葛葉。
__……少し、刺激が強すぎたか?
葛葉は何やら覚悟を決め、庭内に出てきた。
そして、俺達の前に立つ。
「私の所為で、こんなことになってしまって……、ごめんなさい」
頭を下げる葛葉。
「気にすンな。日常茶飯事だ」
「そ、それから……」
__?
「守ってくれて、あ、ありがとう……」
俺と白雪は顔を見合わせ、葛葉の頭に手を乗せる。
「おう」「えぇ」
「……さて、とりあえず爺様と葛葉は応接間に行ッててくれ。着替えたい」
爺様は頷き、葛葉と共に少し早足で応接間に向かう。
__流石爺様。気づいてたか。
二人の姿が見えなくなった途端、俺は脇腹を抑えて膝を着いた。
__先の闘いで受けた傷は、思ったより深かったらしい。
「大丈夫?」
「あァ。これくらい、どうッてことねェよ。すぐ治る」
__先祖返りの力でな。
「無理はしないでね」
「……あァ」
俺達はそれぞれ着替えに自室へ戻った。
女中が手伝うと声をかけてくれたが、一人でできると部屋の前で待機させた。
ぱぱっと着替え、女中に着物を処分するよう言ってから応接間へ。
その途中白雪に会い、共に行く。
「雪紫です。入ります」
「白雪です。入ります」
返事を聞き、入る。
「さて、これからの事を話すとするか」
緊張した面持ちで俺の言葉を聞く葛葉。
「まァ、まず此処に住むのと俺と修行するのは決定してる。後は名字だな」
「名字?」
首を傾げる葛葉。
「玉藻のままが良いのか?」
そう問うと、思い切り首を横に振る葛葉。
「やだ!」
「だろ?」
「で、でも、名字を変えるなんて……」
__あァ、ンな事心配してンのか。
「そンなこたァ朝飯前だ。後は、玉藻組の処分だな」
「? 私関係あるの?」
そう言って首を傾げる葛葉。
「……あのなァ、お前が標的にされてたンだ。お前が決めるのは当たり前だろ」
「そういうものなの?」
「そういうもンだ」
「う~ん」と悩む葛葉。
__…………。
「ンじゃ、選択肢にするか」
「そう、だね。そうしてくれると助かる。まだ良く分からないし」
「一、玉藻組を壊滅させる。二、玉藻組を監視という名目で改めて藜組の傘下に入れ、存続させる。三、葛葉の部下にする」
一、二、三と指を立てながら説明する。
「私の部下に?」
「あァ。本来、先祖返りは強力な力を持つ故、上の立場になることが多い。それに、見返したくねェか?」




