異世界斡旋所3
名前、何だったかなぁ。
うーん、思い出せない。
‥‥‥‥あっ、思い出した!
津田◯次郎だ!!
「僕が言うのもなんだけど‥
キミ、余裕あるよね?
普通、ココに来ると皆んなもう少し緊張するんだけど。」
凄!声まで津◯健次郎だ!
「いや、津田健◯郎じゃないからね。
うーん、調子狂うなぁ。」
津田さんは困った顔をしていたが、一呼吸すると真剣な表情になった。
「それで、伊集院斗馬さん。
貴方は異世界に転移する事に決まりました。
あっ、残念ながら拒否権はありません。」
異世界物の作品で聴いた事があるような言葉を言われてしまう。
実感がわかないのもあるが、どこか他人事のように感じる。
「おや、反応が薄いなぁ。
もう少し驚くと思ったけど。」
「驚きましたが、此処に来ている時点で覚悟していたというか‥。」
正直な気持ちを伝える。
「それなら話は早い。
では、説明するね。
斗馬さんは勇者召喚に巻き込まれて死にました。
あっ、勇者はキミが乗せてあげた子達ね。」
なるほど。
あの子達のせいで死んだのか‥。
クソッ、占いを信じたばっかりに。
だいたいあの占い、いつもおかしいんだよね。何がラッキーアイテムが「冷やし中華」だよ!季節が違うから冷やし中華売ってないし!
「本当はあの子達、バスに乗り遅れる予定だったのに何故か乗れちゃって。
そのせいで他の乗客も巻き込まれちゃったって感じ。
だから予定外の人達がやってきて、こっちはてんやわんやだよ。」
ん?
乗り遅れる予定だったの?
じゃぁ、何で乗れたの??
「うーん、それがわからないんだ。
一応調べてるけど‥
僕の感ではキミが怪しいんだけど。
キミの情報だけは閲覧出来なくて‥。
とてつもなく強い力が働いている気がするよ。
僕も雇われの身だから逆らえないけどね。」
いろいろ言われてるけど気にしない事にしよう。
「その方がいいよ。
長い物には巻かれろ。」
肝に銘じる事にする。
「それで、本題だけど‥。
異世界で何がしたい?
勇者以外の人には聞いてるんだけど。」
それはもう決まっている。
異世界物の作品を読んでいて、いつも考えていた。
「バスを運転したいです!」
これしかない。
「即答かよ!」
津田さんが驚いた声を出す。
「いや、バスって言われても‥。
え?車両を持ち込む気?
イヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤ。
ぜってえー止められるって。
許可が降りる訳がない!」
津田さんが興奮気味にバスを否定してくる。
すると机の電話が鳴りだす。
津田さんはその音に驚いたようだが、ゆっくりと受話器を耳にあてる。
「はい。
はい。
え?本気ですか?
はい。
はい。
わかりました。」
カチャン
津田さんが受話器をおろす。
「バス、オッケーでたよ。
あり得ないんだけど。」
津田さんは今も信じられない感じだ。
「チート能力は勇者以外は禁止だし。
何でバスがオッケーなのか‥。
バスってチートじゃないのか??」
津田さんはその後もブツブツ続けていたが、考える事を止めるのであった。




