両腕に装着したパワードスーツ
「ね、いつ出たんだろ。でも出れてよかったよ」
「そうだな」
彼のしたことは悪いことだったのかもしれないが本人は反省しているし決着はついた。それに昨日は人を救った。いつ外に出てきたのかは分からないが早速活躍しているところはさすがとしか言いようがない。
「それで信也君は今どこに向かってるの?」
「レオンコーポレーション本社だよ、そこに来てくれってさ」
「レオンコーポレーションかあ。そこって確かエフェクトを作ってる会社だよね? 第二アカデミアの出資会社だったような」
「そういえばそうか。俺異能ってアークしか知らないけどエフェクトってどんな異能なんだろうな」
「私も気になるー。私みたいに指先が光るのとかあるのかな?」
あるかもしれないがあまり使い道はなさそうだ。
姫宮と談笑しつつ二人たちはモノレールに乗り的地へと向かう。1本社近くの駅で下車し大通りを歩いていく。夕方なので学校帰りや仕事帰りの人が多い。
「ここの近くだと第二の生徒かな? 制服違うもんね」
「そうだな、あれが第二の制服か」
普段見慣れない制服を着ているので別のアカデミアだとすぐにわかる。反面二人は少し浮いている。
「私アークシティに住んでるけど他の異能について全然知らないんだよね。なんとなくは分かるんだけどさ」
「そうだよな、それぞれのアカデミアが自分たちの異能に特化してるからかな? 別のところは俺も分からないわ」
ここの人たちが住んでいる異能特区、アークシティには三つの学園がありそれぞれが三つの異能に特化している。
第一がフォース。
信也たち第三がアーク。
そして第二がエフェクトだ。同じ異能だがまったくの別物でありそのためどんな異能なのか興味を持つのは当然だ。
いったいどんな異能なのか、想像が膨らんでいく。
そんな時だった。
「ん?」
「信也君どうかした?」
姫宮が不思議そうに聞いてくる。かすかだが、でも間違いない。
「なあ、銃声が聞こえないか?」
「え、銃声? 信也く~ん、ゲームと現実のくべ――」
「こっちだ!」
「あ! ちょっと待ってよー!」
音が聞こえる方へ走り出す。小さいけどちゃんと聞こえた。聞きなれたこの音は間違えるはずがない。
信也たちは表通りから人通りの少ない路地裏へと移動する。駅から少し離れただけで道は閑散とし人気はいなくなる。代わりに音は激しくなっていく。
「ほんとだ、聞こえる」
二人は路地を抜け道路に出た。建物に挟まれたアスファルトの道だ。
そこには一人の女の子が倒れており近くには車いすも倒れていた。
水色の髪をした自分たちと同じくらいの子だ。白の長ズボンに薄い青のカッターシャツを来ている。後ろ髪を一つに束ねかっこいい美人といった感じ。助けに行こうと前に出るがそんな信也を深緑色をした瞳がきつく見上げてきた。
「逃げろ!」
足が止まる。そこで彼女の背後を見た。
そこには男の二人組がいた。男たちは普段着ではあるもののその腕に目が止まる。
「なんだよあれ!?」
そこにあるもの、その驚愕に信也は叫んだ。
腕全部をグレーメタルの金属が覆っている。まさに映画に出てくるパワードスーツそのものだ。鈍い光沢を放ち両手には一つずつアサルトライフルが握られおり一人で二つのアサルトライフルを構えている。
両腕に装着したパワードスーツ。初めて見る光景に一瞬思考が固まる。本当にロボットかアンドロイドのような機械人間がそこにいた。
「なんだお前ら」
「おい、見られたぞ」
信也たちは驚くが相手も戸惑っている。見られたらまずい場面なのは間違いないようだ。
「いい、さっさと掴まえてずらかるぞ」
男の一人はアサルトライフルを背中に装着し女の子に近づき手を伸ばす。
「止めろ! 近づくな!」
彼女が叫ぶ。だが足が動いていない。車いすは彼女のものだろうし足が動かないのだ。
「おいおい、何事だよ。その子嫌がってるだろ」
どう見ても普通じゃない、事件だ。
「お前たちには関係ない、さっさとどこか行け!」




