方法と呼べるものじゃないんですけど
手詰まりだ。彼女ら二人を対策できる具体案はない。この事態に三木島も顎に手を当て思案している。
「じゃあ二人を攻略する方法はないということかしら」
「いや」
三木島は諦めかけるがそうではない。とはいえ自信があるわけでもなく信也の表情は険しいままだ。
「方法と呼べるものじゃないんですけど」
「言って」
それでも現状ではなにもないのだ、あるだけいい。なにかあればそれが希望になる、それが雲を掴むような話であろうとも。
誰しもが信也の答えを希望のように待っている。
それを受けて、信也が言った。
「俺が倒します」
その答えに、みなは黙った。失望からではない。落胆からではない。
彼の強い覚悟に、言葉を失った。
「同じランクAとして、俺が戦います。作戦と呼べるものじゃないとは分かってます。だけど一対一に持ち込めれば勝てるかもしれない。そのためにはなるべく相手の戦力を削っておきたい」
それが信也が出来る精一杯だ。具体的な対抗策はない。やるだけだ。全力による真っ向勝負。小細工なしの正攻法で攻める。
実際それしかない。そしてそれが務まるのは同じランクAの信也だけ。
あの二人を倒せるのは自分しかいない。その重責と覚悟を込めて、信也は言い切った。
「なるほどね」
その答えを聞いて三木島はふっと笑みを浮かべた。茶化すなんてことはしない。彼の覚悟はちゃんた伝わっている。
それは彼女だけでなくここにいるみんながそうだ。そして信じていた。
彼に託そう。勝利と未来を。信也の思いはみんなにも伝わっている。
「うん、信也君ならきっとやれるよ」
姫宮も応援してくれる。みなが抱く期待と信頼。それを受け取り信也は頷いた。
アーク大運動会。その開催まであとわずか。それで今後のあり方が決まる。
生徒会による独裁か。
反対派による解放か。
未来のためにもこの戦いには負けられない。
信也は今から気持ちを高めていた。




