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私はランクF、シャイニングアイドルフィンガー発動ぉおお!

 ここで押し問答をいくら繰り返していても不毛なままだ。それよりも分かりやすい方法がある。


「ここはアークアカデミア。アークホルダーの決着なんて一つだろ?」


 信也は笑う。不敵な笑みで二人を見つめた。


「分かってるじゃない新入生! だけどいいわけ? ずいぶん自信満々だけど二対一、こっちの方が有利なんですけど?」


 状況は信也が不利だ、相手の方が数は多くランクで見ても瑠衣はAプラス、信也より上だ。奏音だってランクBとはいえ強力なアークの持ち主。あの時より若干良くなっている程度で不利なのは変わらない。


「ふ、そう思っていられるのも今のうちだ」


 だが信也に不安はなかった。


 アークを発動しソードマスターになる。一度は敗れた相手だがその表情は晴れやかだ。


「いいか、あの時とは違う点が三つある」


 信也がソードマスターになったことで二人も戦闘態勢に入る。瑠衣はナイフを握り奏音も自身の影が歪に形を変えていく。


 信也は先輩二人に不遜な態度で話していく。


「一つ。未来が見える副会長がいないこと。そのためお前らは事前に対処ができない」

「ふん! 見くびっちゃって。そんなのなくても私たちだけでなんとかできるっつーの!」

「二つ! お前らのアークを俺はもう知っている!」


 奏音には答えず信也は続ける。時雨の不在、アークの情報アドバンテージ。どちらも重要なファクターだ。これがあったから前回は負けたと言っても過言ではない。


 だが信也がここまで自信に満ちているのは別の理由。


「三つ! それは俺の友達が教えてくれた。これこそがお前たちを倒すための武器!」


 それは前回の戦いでは己に欠けていたもの。自分にはそれがなくて、だけど教えてくれた。今ならそれを言える。


「俺は、一人じゃないってことだ! 仲間を信じる心、人間の可能性! それが生徒会打倒の力だ!」


 信也が叫んだ後、背後から大勢の足音が聞こえ始めた。階段を上る多くの人たち。それが廊下にやってくる。


「信也くーん!」


 その先頭、みんなを引き連れた姫宮が大きく手を振っている。


「ようやくか! もう喋ることなかったぞ!」

「時間稼ぎかッ、やること汚いわよ新入生!」

「なーにが私たちだけでなんとかできるだできてねーんだよバーカ!」

「んだとこのヤロ~!」

「ふん!」


 奏音と言い合うが瑠衣はそんなことはせずいきなり攻撃してきた。投擲されたナイフを剣で受け瑠衣は空間転移で正面からいなくなる。ランクAプラス、スペース・ジャンプによる奇襲攻撃だ。前はこれに撹乱されてしまった。


 信也は表情を引き締める。瞬間、側面から瑠衣が現れナイフで攻撃してきた。前兆のない斬撃が襲うが信也は咄嗟に腕を上げ籠手で防ぐ。


 それだけではない。籠手で受け止めるとそのまま力を入れ瑠衣を廊下の壁に押し付けた。


「ぐっ!」

「スペース・ジャンプ。便利な能力だが室内じゃ行動範囲が限られる。特に廊下なんて狭い場所なら拘束もしやすい」

「調子に乗るな!」


 瑠衣はすぐにスペース・ジャンプで信也から離れる。


「行けええ! 信也君を援護だああ!」


 そこへ姫宮一行が雪崩のように襲いかかる。廊下は飽和状態で空間転移の隙間もない。


「くそ」


 これではスペース・ジャンプが使えない。封殺された。


「ちょっと! 私のこと忘れてもらっちゃ困るんだけど!?」


 しかし彼女は別だ。むしろ狭い範囲に対象が集まっていれば好都合。一網打尽だ。


「私はランクB、ドッペルシャドー発動! あんたたちの快進撃もここまでよ」


 奏音のアーク、ドッペルシャドーが広がる。彼女一人分でしかなかった影はまるで巨大な手のように伸び集団に向かってくる。そこには信也もいる。


「姫宮ぁ!」


 背後に振り返り手を伸ばす。その後ドッペルシャドーが信也を捉えてる。身動きが封じられ影に縛られる。


「信也くーん!」


 そこへ姫宮が駆け寄る。彼女にもドッペルシャドーは迫っている。その影を踏まないようにかわし、進み、飛び込んだ。全身を投げ飛ばし自分に向けられた手に向かって腕を伸ばす。

 それは起死回生の架け橋。


「私はランクF、シャイニングアイドルフィンガー発動ぉおお!」


 姫宮の人差し指、それが信也の指と触れ合った。


「輝け私のアイドル魂ぃい!」


 ぴかー。


 姫宮の指先から光が放たれ二人の周囲を照らし出す。それによって信也を拘束していた影が引いていった。アークとはいえ影は影、光の前には引くしかない。


「そんな!?」

「でかした姫宮!」

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