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百八十三話 「素晴らしき世界」
相手を思うことは、〝安楽死〟のようだ。
エゴと嘘という海の中で溺れたふりをしている。
正解なんてない世界に産まれたのも
私自身なら、この世の理に従うしかない。
この世の理に、他人を理解することは
初めから記述されていない。
私は不可能に挑戦する自殺志願者。
でも、死が終わりだと誰も証明できない。
存在しないものに思いを馳せて
まるで自己陶酔している冒険家のよう。
溺れて酔って転んで、死に場所さえ選べない。
それも一つの幸せとあなたは理解できる?
最善と最悪は隣り合わせで
私と君はいつも反転している。
決して交わらない二人の中に
愛が生まれるなんて幻想だ。
今日もエゴと嘘が幻想を追いかけている。
私たちは相手にとっての
最善の選択をとることができない。
どんなに思っても答えは不正解だから。
だから今日も安楽死させる。
私たちは安楽死させることしかできないのだ。
不条理すぎる世の中だと感じるなら
相手を思うことをやめればいい。
なぁ、簡単なことか?




