第2章 4
二次会の席には、友人達と、そして両方の会社の関係者が呼ばれている。共通の大学の友人達、未だに仲の良い、それ以前の友人達。もともと「類は友を呼ぶ」という言葉があるようなもので、その辺りはすぐに打ち解けてしまう。ここは、共通の肴もあるのだし。三次会には、そんな友人達だけの場所になるのだけれど。
康介の会社関係者は、まだいいのかもしれない。ただ、紗弓の方は少しだけ、浮いていた。毛色が少し、違う感じで。同じようにそのような席に見合った服装でその場に来て、同じようにしているはずなのに。何となく、話がかみ合わず少しだけ、乗りが違う。少しの違いも重なればどんどんそのずれは大きくなるのだけれど。
主役が出てくる前に、その席には人が当然集まっていて。式に出たオグと征一が合流してまずは仲間達に様子を報告していた。
「ねえ……あの人達が、紗弓の会社の人?」
「みたい。紗弓から聞いてはいたけど、何だか見た目、怖いね」
「そういう業界なんだろうけど。……でも、紗弓もこの機会に仕事やめれるよね。あそこ、向いてないよ、紗弓」
聞こえていないことを前提にそんなことを言いながら、仲間内で二次会の席の進行の打ち合わせや、一応用意してある祝いの出し物の確認などをしている。
「仕事量が多くて、残業が多くて、でも給料安いでしょ。何だか、紗弓ができるのいいことにただ使われて、そのまま潰されちゃいそう。……そんなものないと思ってたけど、能力の差ってあるのかな。紗弓は普通でしょ?特にできるわけじゃないのに……」
「そんなことより、仕事量では紗弓は平気だよ。本当に、そういう意味ではキャパシティ大きいから。傍目に無理してても、本人は全然普通だったりするから。それより、人間関係に紗弓、疲れてるよね」
「こ~ら、女ども。噂はそこまで。同じ席にいるの考えろよな」
ストップがようやく入って笑いが起こる。聞こえていたら困るのは紗弓だ、と。ただ、そんなことを聞いたと向こうだって聞こえていたとしても言えないだろうけれど、と。紗弓なら、他にやりたいことを今からでもできるんだからと言い合いながら、二人が到着したという知らせを受け取って二次会を始めた。
彼らは皆、多少聞いてはいたから。結婚した後の二人の仕事のことを。そして、その他のことも。二人らしくていいんじゃないか、と、そんな壮行会めいた意味も、もたせているつもりだから。……たぶん、壮行会は別にやるんだろうとみんな思っているけれど。集まって遊ぶ、いい口実だから。




