第一章 星々はまだ見ていない 第九話 偽物の仮面
お昼休みも終わり、教室の掃除をする。
そして、掃除も終わり、皆、帰りの準備をし終われば、万象と時が話しかけて来る。
鍛治万象
「虚無!保健室行くぞ〜!」
蓬莱時
「ふわぁ〜」
神鏡虚無
「……はい…」
虚無は、カバンを持って教室を後にする。
教室には、才、楓牙、美紗都、録の4人が残った。
録が、机の上にクシャクシャの紙が広げられていた。
美紗都が、録の席に近付いて来る。
新島美紗都
「あら、その絵。何ですの?クシャクシャの紙に描いたんですか?」
目黒録
「違う。これは、神鏡さんがスケッチブックに描いてた絵だよ」
五十嵐楓牙
「で?何でそんなクシャクシャなわけ?」
楓牙が、机の上に足を乗せて聞いてくる。
目黒録
「……蓬莱さんと一緒に行動してたら、急に「教室に向かいたい」って言ったから行ったら、先生に怒られてたんだよ」
「虚無さんが」
一ノ瀬才
「どういう事ですか?」
目黒録
「どうして怒っていたのかは、来るのが遅かったから分からない」
「でも、先生が、神鏡さんの絵を踏み付けていた」
美紗都の目が、怒りに変わる。
新島美紗都
「何ですの?そんなの教師の風上にも置けないじゃない!」
目黒録
「多分、神鏡さんは、絵が汚れたから捨てたんじゃないかな?」
五十嵐楓牙
「ふ〜ん、そんな上手なわけ?」
楓牙が、風を起こし、虚無が描いた絵の紙を見る。
五十嵐楓牙
「へぇ〜上手いじゃん」
「ん?」
楓牙の顔が、?マークになる。
そして、ズボンのポケットからスマホを取り出すとSNSを開く。
楓牙は、スマホで何かを調べる。
一ノ瀬才
「何を調べてるんですか?」
五十嵐楓牙
「アッ、やっぱ…へぇ〜」
楓牙が、スマホの画面を皆んなに見せる。
其処には、有名SNSプラットフォームの画面が写っており、よく見れば…
「偽物の仮面」と言う名前で活動している絵師と思われる人のホーム画面だった。
楓牙が、下にスクロールすると、デジタルやアナログ、水彩画など多種多様の絵柄で描かれた絵が投稿されており、殆どの絵が平均1万を超えるハートをもらっていた。
新島美紗都
「綺麗な絵ですね」
「楓牙さん、後でその方のSNSのリンクを送ってくださいまし!」
五十嵐楓牙
「へ〜い」
一ノ瀬才
「この方の絵がどうされたんですか?」
五十嵐楓牙
「その絵とアナログの絵の絵柄、結構、似てね?」
「どう思うよ。録」
目黒録
「うん、少し絵柄を変えてる所もあるけど、ほぼ同じだよ」
一ノ瀬才
「と言う事は、この絵を描いた神鏡さんとその方は、同じ人の可能性があると言いたんですか?」
五十嵐楓牙
「まぁ、そ言う事〜」
部屋に、沈黙が包み込む。
楓牙以外は、「結論を出すのは、早い気はするが…多分、同一人物なんだろうな」と自然に脳内で変換していた。
その会話を盗み聞きしている、アルビノの様な男子生徒が一人
皆から、視覚になる位置にいた。
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ガラガラ…
保健室の扉が開く。
灰色のボロボロでボサボサのロングヘアの髪の人が、扉の方を向く。
茨愛姫
「おっ、来てくれた〜」
愛姫先生は、体をベッドのある方向へ向けると、3人を、ベッドに腰掛ける様に言う。
茨愛姫
「今日は、来てくれてありがとさん」
「まぁ、君たちを呼んだのは、食生活に付いてだね」
蓬莱時
「私は、沢山寝るから大丈夫〜」
茨愛姫
「まぁ、君は大丈夫だろうけど、其処の君たちはもうちょい食べた方がいい」
「ほら、この紙を君たちに渡すね」
愛姫は、机の引き出しから3枚のプリントを取り出して、それぞれに渡す。
見れば、栄養価の高い食べ物の一覧が載っていた。
そして、裏面には、手軽にサクッと作れる料理のレシピが5つほど載っているプリントを手渡される。
茨愛姫
「それじゃ、万象くんと時ちゃんは、戻っていいよ」
鍛治万象
「はい!」
「でも、虚無は?」
茨愛姫
「もうちょい、話したい事があるからね」
鍛治万象
「そっか、んじゃ、先に帰るな」
「ほら、時!寝るな!寮に戻るぞ〜」
蓬莱時
「ふわぁ〜はぁ〜い」
時は、万象に手を引かれる形で保健室を後にした。
静寂が部屋を包む。
虚無は、冷や汗をかくほど緊張している。
茨愛姫
「そんな緊張しなくていいのに…」
「んじゃ、今からは、コードネーム医師として話すね」
コードネーム医師
「近々、七王会議があるよ」
「参加…する?」
虚無は、首を横に振る。
コードネーム医師
「もう、かなり休んでるね」
「無理はよくないと思ってるから、アタシは、どうも思わない」
神鏡虚無
「うん、分かってるんです」
「でも、私にはまだ、七柱は早い気がするんです…」
コードネーム医師
「まぁ、それは世界を恨んでくれとしか言えない」
「だけど、使徒くらい呼んだら?君の異能力は、使徒くらい召喚できるでしょ?」
神鏡虚無
「でも、いいのかな?」
「使徒の代理出席は…」
コードネーム医師
「いや、お姉ちゃんの…三柱コードネーム徒歩は、アタシを代理にして出席してるから問題ないでしょ」
神鏡虚無
「……確かに」
コードネーム医師
「まぁ、言いたい事は言ったよ」
「んじゃ、愛姫に変わるわ」
茨愛姫
「まぁ、ちゃんと食事は摂ってね」
「じゃないと、皆んな心配するよ?」
神鏡虚無
「……はい!」
茨愛姫
「んっ、いい返事」
「もう、帰って大丈夫だよ」
神鏡虚無
「はい、ありがとうございます」
虚無は、お辞儀をして保健室を後にした。
コードネーム医師
「ハァ〜めんどくさい…」
「まぁ、使徒だけは寄越すようになればそれでいいのよ」
「もうそろそろ、超重要な会議をしなきゃだし…」
愛姫は、椅子を回転して、机の方に体を向けると…
そのまま机に突っ伏して、眠ってしまった。




